札幌でローコスト住宅を建てるとなると、まずはさておき、土地の確保が急務です。
なぜなら、ここ数年ほど、土地の値上がり傾向が続いているからです。
インターネットで調べるにしても、不動産屋に問い合わせるにしても、「イイ土地」があれば、すぐに押さえておく必要があります。
では、「イイ土地」とは、どんな土地なんでしょう?
こればっかりは、ひとことで言えません。
買う側の事情(持ちたい家のタイプ、家族、ライフスタイル)に大きく左右されるからです。
とは言え、判断の基準が何もなくても困りますよね。
そこでまず条件に挙がるのは、
たとえば「南向きの土地」です。
私がまずそうでしたし、相談していた不動産屋さんにも言われました。
素人さんは、何がなんでも「南向きの土地」って言いますからね
と、こうです。
もちろん世の中の土地は、「南向き」ばかりではありません。
その他の方向を向いている土地にも利点はありますし、「南向きの土地」のデメリットもあります。
土地探しについて、不動産屋さんから受けたアドバイスは、こんなものでした。
土地の向きには、それぞれメリット&デメリットがある
建築基準法の決まりとして、住宅を建てるための土地は、道路に面していることが義務付けられています。
いわゆる「接道義務」で、敷地の一部が「道路に2m以上接していること」が必要です。
これは一例ですが、たとえ旗竿地でも道路に面していることが求められます(ピンクの部分)。
言うなれば、道路に面した部分を作るために、敷地を引き延ばした結果、「旗竿地」になってしまうというわけです。
その道路が、敷地のどの方向にあるかで、「南向き」「北向き」・・・と分類されています。
南向きの土地
【間取りと日差しのイメージ:yukidaruma作成】
※南から太陽の日差しが降り注ぎます。
メリット
土地の南側が道路に接している土地ですね。
最も大きなメリットは、「日当たりが良いこと」です。
さんさんと太陽の光が入るサンルーム
冬でもぽかぽか暖かいリビングルーム
どこかで聞いたようなキャッチフレーズですが、これが実現しやすいわけです。
また日当たりのよさは、すなわち「雪の溶けやすさ」です。
南側に駐車場や庭を配置した場合、除雪の手間軽減は期待できるところでしょう。
デメリット
値段が高い
これが最大のデメリットです。
また、住宅・駐車場・庭などの配置も案外難しい。
玄関は道路の近くに通常は配置しますが、それが南側です。
つまり、最も日当たりの良い場所を玄関・駐車場に使われてしまうのです。
日当たり最重視の家を希望するなら、少々もったいない話です。
道路側に駐車場は仕方ないとして、居間は南向きにしたい。
こんな場合は、土地の北側に寄せて、住宅を建てることになります。
そうすると、道路から玄関までのアプローチが長くなり、外構の費用がかさみがちです。
土地も高い、外構費も高いとなると、ローコスト住宅向きとは言えないですね。
北向きの土地
【間取りと日差しのイメージ:yukidaruma作成】
メリット
土地の北側が道路に面している土地です。
最も大きなメリットは、やはり「値段が安い」ことでしょう。
同じ地域であっても、数十万円~百万円以上の価格差になっている土地を見かけました。
また、間取り配置の点でも利点があります。
たとえば、こんなプランです。
道路に近い北側に「玄関」「トイレなど水回り」をまとめる
南側に「リビング・ダイニング」「和室」など「長い時間を過ごす部屋」を配置
隣家の大きさや配置にもよりますが、「南側」「日当たりのよい」リビングルームが実現するというわけです。
デメリット
北側に駐車場を配置すると、除雪に苦労します。
隅に寄せた雪山もなかなか溶けませんから、状況によっては、排雪業者をお願いする必要があるでしょう。
また、北側はどうしても日が差しにくいので、採光を意識して設計しないと、玄関が暗くなります。
東向き・西向きの土地
土地の東側、あるいは西側に道路が位置する土地ももちろんあります。
南向き・北向きの土地ほどに、方角が値段に影響することはありません。
特徴としては、こうです。
居室によって、午前・午後の日差しの量が全然違う
そしてこれが、メリットでもあり、デメリットにもなるのです。
東向きの土地であれば、朝日がさんさんと差し込むダイニングで朝食をとり、明るい玄関から出かけることができます。
一方で、午後になると日陰になり、夏であれば涼しく、冬でなら寒くなります。
西向きの土地・西側の部屋は、これと逆ですね。
朝はひんやりで、午後から西日で暖かくなります。
午前中の朝日、午後の西日をいかに活用するかが、東西向きの土地で自宅を建てる肝になるのです。
気になる土地は、工務店やハウスメーカーにも相談して決める
どちらの方向に向いているのかは、土地の個性みたいなもんだ。
これは、ある不動産屋さんに言われた言葉です。
当時、予算はないくせに、「南向き」だの「北向き」だのと口走っていたので、
自分の頭で考えて、土地を選びなさいよ
やりたい生活、建てたい家によって、ぴったりくる土地の向きは変わるでしょ?
そんなニュアンスのアドバイスでした。
建物そのものは「ローコスト住宅」で費用を抑えても、土地代が高価であれば、結局は経済的な負担が大きくなります。
人気のある「南向きの土地」だけでなく、お安い「北向きの土地」「東向き・西向きの土地」でも、設計や間取り配置の工夫で、快適に暮らすことができます。
いろんな条件はいいのに、土地の向きだけが気に入らない
そんな土地を見つけても、すぐには選択肢から外さず、工務店・ハウスメーカーの設計士さんと相談してはいかがでしょうか。
ちなみに土地や間取りの配置感覚・相場だけを知りたいなら、こういったサイトで見積もりを取る方法もあります。
無料ですし、知識や肌感覚を身に着けるのにも役に立つと思います。
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