【札幌でローコスト住宅での暮らし】床暖房をつけなかった理由をまとめたよ

床暖房をやめた 間取りの工夫
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私がローコスト住宅で自宅を建てようと決めてから、いくつかの「家づくり体験ブログ」を読み漁りました。

それで、そのうちのいくつかが、一条工務店で家を建てた方のブログだったのです。

 

ローコスト住宅の倍くらいの費用が必要なハウスビルダーですが、「高断熱」、「高気密」、「暖かい家」の検索でヒットしたのではなかったかな。

 

とにかく、一条工務店と言えば、「暖かい家」。

そして、床暖房です。

 

床暖房とくれば、

床からじんわりと暖かく、眠気に誘われる極楽暖房

 

こんなイメージです。

正直、あこがれました。

床暖房を、しかも全室全館に使いたいと考えもしました。

 

でも、我が家では床暖房は採用していません。

床暖房のメリットも十分理解した上で、デメリットを取ったのでした。

 

床暖房とは?

※ブログ主ではありません。「床暖房が快適」イメージ

 

床暖房で部屋が暖まるメカニズムは、簡単にまとめるとこうです。

 

  • 床全体が温まると、その暖かさが空気を伝って、部屋全体に広がる
  • 壁や天井も、空気伝いに温められるので、そこから輻射熱も発生する
  • 結果、部屋全体がぽかぽか

 

どうでしょう、魅力的ではありませんか。

 

20代の頃に住んでいたアパートでは、8畳ほどのホットカーペットを使っていました。

当時の勤め先の忘年会で、じゃんけん大会で手に入れたのです。

 

このホットカーペットでさえ、とっても快適でした。

まさに「うたた寝、誘発マット」

これが、床全体になるなんて最高です。

 

ローコスト住宅でも、これが叶うかな?

わくわくしたものです。

 

床暖房の仕組み

※「ぽかぽかで気持ちいい」イメージ素材

 

床暖房の仕組みは、「電熱式(電気ヒーター)」と「温水式」に大きく二つに分けられます。

 

「電熱式(電気ヒーター)」床暖房では、電熱線など発熱体を床下に張り巡らせて、それに電気を通しすことで熱を放出します。

直接電気を通すので、熱源機(ストーブやボイラー)が要りません。

なので初期投資は抑えたり(温水式に比べれば)、すぐに床を温めることが可能ですが、ランニングコストは割高になります。

 

「温水式」床暖房とは、ボイラーやストーブなどを通して不凍液の温水を作り、それを利用して床下のパイプから放熱する方法です。

熱源は、電気・ガス・灯油から選択できます。

 

また熱源機については、空気の熱を利用した電気ヒートポンプ式や、ガス式エンジンでの発電、電気とガスとのハイブリット方式など、たくさんの選択肢が登場しています。

「電熱式(電気ヒーター)」と比べ、初期費用が割高で、暖まるのに時間がかかるものの、ランニングコストについては、割安とされています。

 

床暖房のメリット

室内がまるごと暖かになる

 

床暖房は、「足元ぽかぽか」だけが能ではありません。

  • 床・足元から空気を通して広がる「伝導熱」
  • 暖まった壁や天井から発生する「輻射熱」

 

この合わせ技で、部屋の上から下まで「じんわり」と暖かくなります。

エアコンやストーブの暖房は、立ち上がれば「暑く」、床に座れば「底冷え」しやすいとされますが、床暖房はそれが起こりにくい仕組みというわけです。

 

しかも全室、家全体で床暖房を採用すれば、家のどこにいても暖かい。

断熱・気密性の高い家であれば、空気全体が温められているので、冷めにくいのです。

 

空気がキレイ

 

エアコンのように風を出さないので、ハウスダストやほこりをまきあげることがありません。

また、かつての石油ストーブのように、燃焼臭もありません。

空気がきれいなまま、暖まっていくのです。

また、乾燥しにくいのも大きな利点ですね。

 

熱源が露出しないので安全

昔のストーブって、けっこう危なかったですよね。

本体にうっかり触れたら、すぐ火傷しそうに熱かったです。

 

最近はそれほどでもなく、安全装置もついていますが、それでもリスクはあります。

 

床暖房は熱源が床下で、生活空間には露出しません。

赤ちゃんや小さい子ども、足元の不安定なお年寄り、ペット、そして酔っ払い。

火傷リスクの高い家族がいるなら、熱源が隠れているのは、とても安心です。

 

場所を取らず、空間を広く使える

 

ストーブにせよ、エアコンにせよ、熱源が露出していれば、その部分(壁)と周囲は家具を置けません。

人が寄りかかることもできません。

 

暖房機って、案外と幅も厚みもありますから、これがないと部屋が広く使えます。

窓の位置も決めやすいです。

 

掃除がしやすい

 

ストーブの周りや裏側って、意外とほこりが溜まります。

狭いので、掃除機は細いノズルに変えないと、うまく吸い取れません。

そのストレスが、床暖房ではないのです。

 

ストーブやエアコンそのものも、掃除しようと思えば、かなり手間がかかりますしね。

 

床暖房のデメリット

費用の問題

 

他の暖房システムに比べて、一般的には、床暖房は初期費用が高めです。

床下に電熱線や温水パイプを張り巡らせるからです。

 

ただし、最近では、ローコスト住宅でも床暖房を標準仕様とする工務店も登場しています。

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光熱費が高額になる場合もある

 

床暖房に限りませんが、どの暖房機であっても、熱源や使い方、住宅本体の断熱・気密性能によって、費用は大きく変わります。

 

北海道では、真冬は暖房を1日中つけっ放しすることが基本です。

こまめにオン・オフをすると、そのたびに室温が下がるので、立ち上げ時には燃料を多く消費します。

なので、つけっ放しの方が光熱費の節約になるのです。

 

ちなみに暖房を節約しすぎると、水道管が凍結・破裂します。

 

このあたりの事情は、床暖房も他の暖房システムと同じなので、ランニングコストの良い熱源・発熱方法を選び、住宅性能にも気をつける必要があります。

 

メンテナンスと修理費

 

機種にもよりますが、温水式床暖房なら、パイプに流れている不凍液を暖めて、熱を放出します。

床暖房を稼働しない夏には劣化しますので、年に1回は不凍液を補充し、数年ごとに不凍液を交換する必要があります。

毎年の出費として、この費用が数千円から数万円程度。

また、床暖房の機械・電熱線や温水パイプも、概ね10年を目安にメンテナンスとなります。

 

そして、万が一故障すれば、修理費用は高額になりがちです。

なぜなら、床板を剥がして、また戻す費用も上乗せされるからです。

 

細かい温度設定が難しい

 

「じんわりと部屋全体を暖める」ことが床暖房の利点ですが、裏を返せば、細かい温度設定が難しく、暖まるまでに時間がかかるのです。

 

エアコンなら、強い温風ですぐに暖かくなります。

ストーブなら、そばに近寄れば即、熱いくらいです。

 

でも、床暖房はそうではないんですね。

そして、いざ部屋が温まると、今度は汗をかくほど暑い。

だけど、設定温度を下げても、室温が変化するまでには時間がかかります。

 

低温火傷のリスク

 

温度設定にもよりますが、床暖房では、床表面が35~40度を超えることは珍しくありません。

接触部分の温度が40度前後になれば、低温火傷のリスクが生じます。

 

暖かくて、つい気持ちよくなってしまいますが、床暖房の床で直にうたた寝をするのは、実は危険なのです。

自分で危機管理ができない赤ちゃんや、介護が必要で自分では動けないようなお年寄りは、ちょっと注意が必要です。

 

床にモノを置けない

 

床板の下に電熱線や温水パイプを這わせているので、通常の床よりも耐久性は低いです。

また、発熱するので、熱によって変質しやすいもの、あるいは熱を遮ってしまうものも、床には置けません。

 

ソファーなら足つきのもので、接触面を小さくする。

ラグは最小限か、敷かない。

 

例えば、こんな配慮が必要になるわけです。

 

床暖房を選択しなかった理由

 

我が家では、いろいろ考えた末に、床暖房は希望しませんでした。

その理由は、大きく分けてふたつです。

 

犬と暮らす場合、床暖房にはリスクがある

 

最初から、犬たちと暮らすつもりで家づくりを計画していました。

その「犬」にとっての安全性を考えたのです。

 

飼っているのは小型犬で、彼らは床との距離が近いです。

床暖房なら、おなかやお尻を、いつも発熱した床に触れていることになります。

 

心配したのは、低温火傷と熱中症です。

 

ウチの犬たちは、今は若くて元気です。

でも年寄り犬になったら、動くことが億劫で、ずっと同じ姿勢になると聞きます。

 

私はひとり暮らしで、日中は犬たちだけですから、不安になりました。

 

また、床暖房ではカーペットを敷けない(もしくは、製品を選ぶ)ことも、懸念材料でした。

 

フローリングでは、犬が滑って転倒・脱臼・骨折したり、椎間板ヘルニアのリスクが高いのです。

無垢床にしても、犬が粗相したときに染みこんだり、ワックスなどのメンテナンスが大変です。

 

フローリングの上に、タイルカーペットやラグを敷く予定だったのです。

 

高断熱・高気密の家なら、パネルヒーターでも暖かい

 

高断熱・高気密の家(プラス、熱交換器つきの24時間機械換気)なら、セントラルヒーティング(パネルヒーター方式)でも、底冷えしません。

外気の影響を受けにくいので、暖めた空気はなかなか冷めず、機械での計画換気で室温も均質になっていくからです。

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加えて、床暖房よりも、パネルヒーターは温度調節が容易です。

空気に触れる発熱面積が、パネルヒーターの方が狭いからです。

 

ランニングコストについては、一概にどちらが安いとは言えないようですが(熱源や燃焼システムによる)、室温調整は簡単な方がありがたいと思ったのです。

 

一部だけ、「床暖房」にする選択肢

 

では、パネルヒーターと床暖房の組み合わせなかったのか。

 

全室床暖房なら、標準仕様とするローコスト住宅メーカー(工務店)はありました。

でも、パネルヒーターやストーブとの組み合わせとなると、オプション扱いの会社ばかりだったのです。

 

ローコスト住宅で家を建てること、暖房システムにオプションをつけないこと、このふたつははっきり決めていました。

予算が限られていたので、もう仕方ないことでした。

 

なので、私の場合は「全室を床暖房にする」もしくは、「床暖房は全く採用しない」の2択だったのです。

 

床暖房「なし」は、後悔した?

いいえ、床暖房なしで後悔してません。

ローコスト住宅とは言え、高断熱・高気密の工務店にお願いできたのがラッキーでした。

おかげさまで、セントラルヒーティング(灯油ストーブ+パネルヒーター)で、不便はなかったです。

 

ただし。

ストーブをやや節約して、低い温度設定で過ごしていた秋口のことです。

床に寝転んで犬と遊んでいたら、おなかが冷えました。

 

ほんのちょっとだけ、床暖房でも良かったかなと思うことは、あります。

 

床暖房で迷っているなら、工務店やハウスメーカーに直接相談する前に、間取りの相見積もりをとることもお勧めです。

ある程度の知識を得てから、セールストークは聞いた方がいいですよ。

でないと、メリットしか目に入らない(かもしれません)。

 

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