「ゆきだるまのお家」では、浴室・システムバスは、LIXILとTOTOの2択です。
選択肢が少ないのは、ローコスト住宅ですし、まあ仕方ないです。
私の場合、結論としては、LIXILのシステムバスを選びました。
シリーズは、「ゆきだるまのお家」の標準装備、「アライズ」です。
浴室について、元々それほどこだわりも理想もないです。
なので、全体としては、どちらも同じように見えたのが本音です。
でも、ひとつだけ、迷ったポイントがあります。
それは、床でした。
LIXILもTOTOも、浴室フロアをセールスポイントとして挙げています。
どちらも、冬場に温度差を感じさせないことや、早く乾燥すること、掃除のしやすさがポイントです。
ここまでは、よく似ています。
でも、知名度が抜群に違いました(2018年当時)。
TOTOの浴室と言えば、「ほっカラリ床」♪
ことほど左様にキャッチフレーズが浮かぶくらい、テレビCMを流していたのです。
たいして興味はないと言いながら、なぜ、有名な「ほっカラリ床」を選ばなかったのか。
今回は、LIXIL「アライズ」を選んだ理由と、1年後のレビューをお伝えします。
浴室床の冷たさとカビにはげんなり
浴室そのものにはたいして興味がないのに、床だけは気になっていたのは、理由があります。
なにしろ、当時住んでいた貸家の浴室がひどかったのです。
築50年近かったので仕方ないですが、とにかく古くて、寒いの2重苦です。
冬場には、建物の全体を暖めたつもりでも、足先で床に触れるとヒヤリとします。
灯油ストーブをガンガンに炊いて、灯油代が月に6万円を超えてもコレです。
その上、浴室全体、特に床がなかなか乾かないので、すぐに薄っすらピンクのカビが生えるのです。
1週間でも放っておけば、黒カビです。
タイルではなく、プラスチックの床ですが、この有様でした。
なので、新居の設備に多くは望まないと言いつつも、浴室の床は改善したかったのです。
LIXIL「アライズ」のキレイサーモフロア
今回選んだ「アライズ」の床は、LIXILのシステムバスシリーズで標準装備される「キレイサーモフロア」です。
特長はいくつかありますが、自分で使ってみて、実際の使用感に関わる部分をまとめました。
冷たさを軽減する多重構造
キレイサーモフロアは、浴室の床本体の上に、断熱層+水はけのよい溝付きの材質が載っている多重構造です。
床かから底冷えする、なんて表現がありますよね。
体育館の床など、足先から冷たさが這い登って、学生時代は辛かったものです。
そんな冷たさを断熱層で断ち切っているわけです。
そして、表面には碁盤目模様に溝が切られています。
この碁盤目に表面を区切る溝から、素早く水が流れていくので、ジメジメした感触がありません。
しかも、ややザラリとした加工が表面にされていて、それも肌触りに一役買っています。
つるつるとしたタイルの浴室も経験ありますが(かつての実家)、それよりずっと、冷たさは感じにくいです。
ザラリとした部分の素材が、熱伝導率が低いそうですね。
これはつまり、客観的にも、冷たさを伝えにくいということです。
表面の溝が浅いので、掃除しやすい
床表面の溝は、深くありません。
スポンジが奥まで届くように、わざと浅い溝になっています。
前までのモデルより、さらに浅くしたと、ショールームで教えてもらいました。
あまり頻繁に掃除をしないので、はっきり言えない部分もありますが、溝に汚れが残って困る、ということはありませんでした。
なので、ゴシゴシこする必要もないです。
床表面を特殊な材質でコーティング
床表面には、撥油基(油をはじく成分)と親水基(水と馴染む成分)がそれぞれコーティングされており、皮脂汚れがつきにくいようになっています(水が油の下にもぐりこんで浮かせる仕組みになっている)。
触れたときの冷たさを軽減する効果もあるそうです。
後述しますが、恐らくはこのコーティングが効いており、最初の1年は掃除が本当に楽でした。
TOTOの「ほっカラリ床」を選ばなかった理由
違いがわからない
LIXILとTOTOのカタログを読んでいると、価格帯が重なるシリーズは、内容もよく似ています。
浴室の床も、また同じです。
「ほっカラリ床」とは、ざっくりまとめるとこんな特徴です。
床材の下に断熱材を挟んだり、床材の表面に碁盤目状の溝やザラザラ感触の加工をすることで、冷たさを軽減したり、表面張力にならず水分が流れやすいようにしてある浴室の床
つまり、
- 冬場に歩いても、「ヒヤッ」としない
- すぐ乾く
- 掃除が簡単
LIXILの「キレイサーモフロア」と、大きな差はなさそうです。
強いて言えば、
「床材の下にウレタンが仕込んであり、クッション性のある踏み心地」になっている。
ほっカラリ床のカタログには、こんな記載があります↓
これは、私が購入した当時は、「キレイサーモフロア」にはなかったはずです。
現在は改良されているかもしれませんが。
でも、ね。
どこぞのお姫様じゃないのですから、浴室の床にクッション性は、たいして求めていません。
もちろん、小さいお子さんや高齢者が暮らすご家庭なら、大事な機能だと思います。
ただ、ウチには、どちらもいませんからね。
クッション性については、私には重要ではなかったです。
汚れが溜まりやすい、という使用例が身近に
「ほっカラリ床」を選ばなかった理由は、もうひとつ。
両親宅で採用したのを見たら、予想よりも掃除が大変そうだったから
(※2018年当時の話です)。
この娘に、この母親あり。
興味の対象は同じようですね。
我が家より2年ほど早く、両親も自宅を建てまして、そこで「ほっカラリ床(TOTO)」にしたのです。
で、感想を聞くと、返ってきたのはこうでした。
- 肌触りは冷たくないから、イイ。
- でも、掃除は楽になっていない。
実際に見ていると、換気扇を一晩回した翌朝も、床は乾いているけれど、薄っすらピンク色にも見えます。
床色はオフホワイトですが、碁盤目模様の溝に沿って、薄く色がついています。
数回泊まりましたが、毎回そうだったのです。
母はこまめに掃除しますが、私はしません。
一方で、成人近くまで同居した親子ですから、入浴スタイルは似ている部分も多いでしょう。
世間様の口コミは賛否両論でしたが、実体験から判断しました。
「ほっカラリ床」は、汚れが案外溜まりやすい。
※注:2018年~2019年の体験談です。その後、汚れが溜まりやすい溝は浅くするなど、改良されているそうです。
自分としては、「ほっカラリ床」の独自性がいまひとつ感じられなかったこと、身近の使用例では、汚れが溜まりやすいように見えたこと、これが選ばなかった理由です。
- 「ほっカラリ床」のためだけに、TOTOのシステムバスを選ばなくていいな。
- その他の設備といっしょに、LIXILで揃えよう。
- LIXILのシステムバスにも、「ほっカラリ床」みたいな床がついているし。
そう思ったのでした。
ちなみに、「ゆきだるまのお家」の建具類は、ほとんどLIXILです。
浴室・台所・洗面台・トイレのみ、LIXILとTOTOの二択でした。
もういっそのこと、LIXILに統一すれば、ショールームの用事も1か所で済むから楽ちんだ、とコレが正直な気持ちでした。
アライズの「キレイサーモフロア」、1年後の状態は?
まず、感想を言いましょう。
1年目までは、ほとんど掃除いらず、でした!
潔癖ではなく、元々あまり気にしない性格ではあります。
ただ、もし湯垢が目立つなら、掃除くらいはします。
でも、汚れがたいして目立たなかったんですよね。
我が家の浴室で1年後の状態です↓
さらに近寄って撮ったもの↓
入居直後に拡大写真を撮っていないことが悔やまれるのですが、ほとんど汚れていないのです。
これはちょっとびっくりしました。
記憶が正しければ、入居後の1年間で掃除は2回だけです。
入居時に用意したスポンジも新品同様ですし、バスマジックリンも全然減っていません。
毎日1回(夏場などは2~3回)は、シャワーを浴びています。
2か月毎くらいで、自分で髪のカラーリングもしています。
もちろん浴室で薬液を髪に塗り、シャワーで洗い流しています。
生活習慣は変わらないのに、今まで住んだことのあるアパートや、旧居(戸建て)と比べると、信じられないくらい汚れがつきにくいのです。
関係があるとすれば、
- ほぼひとりしか使用しない(彼くんが週末に泊まりに来るくらい)。
- 浴室を出る前に、壁や床全体にシャワーでお湯を流しかけている。
- 湯舟での入浴はしていない。
- 換気扇は24時間回している。
24時間換気(換気扇は作動したまま放置)は、今までのどの住居もやっていましたが、床は薄っすら赤くなるし、カビも生えたりしていました。
なので、これは「キレイサーモフロア」の実力かなと考えています。
「汚れがつきにくい」、そして「ひんやりしない」
キレイサーモフロアの写真を撮ってから、さらに半年経過(入居後、計1年半)しました。
今では、隅の方に、少しずつ赤い湯垢のようなものが見えるようになりました。
それでも、掃除は月1回するか、しないかです。
市販されている浴室用洗剤をスプレーして5分放置。
そのあと、自分のシャワーついでに流すだけです。
そして「ひんやりしない」の感触は、今も健在です。
家族の人数や使い方によって、もちろん差はあるでしょうけども、独身で使うだけなら、「キレイサーモフロア」は、使い勝手ヨシでしたよ。
ただ、全然掃除してないのがバレバレで、これを知り合いに見られたらイヤだな。
それだけ心配です。
コメントや体験談などお願いします