壁付けキッチンは後悔する?いいえ、おひとりさま暮らしにはメリットがいっぱいです。

壁付けキッチンのメリット 間取りの工夫
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「おひとりさま」用として建てた自宅のキッチンは、壁付けキッチンです。

 

最近の流行りは「対面キッチン」で、これを採用した間取りも多いことは知っています。

でも、壁付けキッチンでお願いしました。

 

規格住宅だから制約があった、というのではありません。

自宅は、ローコスト住宅ながら、セミオーダー設計の住宅プランです。

住宅設備も、複数会社から選択可能でした。

 

むしろ、最初は「対面キッチン」を勧められたくらいです。

モデルハウスもそうでしたしね。

 

それでも、壁付けキッチンを選んだ理由は、

融通が利く間取りにしたかったから、です。

 

新居に入居して2年。

壁付けキッチンは、本当に「融通が利く」間取りだったのか、

メリットとデメリットも合わせてまとめました。

 

キッチンでやりたいこと

 

家事の中では、掃除より料理が好きです。

キッチンや台所道具を眺めるのも楽しい。

食材を手に取るだけで、わくわくします。

 

でも、新居はスモールハウスで、しかもローコスト住宅。

キッチンは、どーんと構える豪華なタイプではなく、臨機応変に使えるコンパクトなものにしたいと考えました。

 

当初提案されたのは「対面キッチン」でしたが、間取りを見ると、ちょっと微妙です。

何だか、部屋をちまちまと区切られている感じに見えたのです。

 

それで、こんなことを設計士さんにお願いしてみました。

  • LDKに面したオープンキッチン
  • リビングの広さは最大限にしたい
  • キッチンは、毎朝の化粧スペースも兼ねる
  • キッチンの広さは、大人ふたりが作業できる広さ

※彼氏ができるかもしれないじゃないですか

 

これを見た設計士さん。

 

うーん、確かに壁付けキッチンの方がいいかな。

 

これで我が家のキッチンの基本レイアウトは決まりました。

 

壁付けキッチンについて

壁付けキッチンとは

※自宅の壁付けキッチン

 

流し台(シンク)とIHやガスコンロ、そして作業台が壁にくっついているスタイルのキッチンですね。

 

我が家では、作業台を挟んで、両側にIHヒーターと流し台が一直線に並ぶレイアウトにしました。

これは「I型キッチン」と呼ばれるパターンで、他に「L字型」の配置もあります。

※これがL型キッチン

 

ただ「L型」の場合は、「I型」よりもお値段が高めで、ローコスト住宅ではオプションになる例が多いです。

作業台が広くなり、結果として大型のシステムキッチンとなるからですね。

 

対面キッチンとは

参考:匠建コーポレーション

 

シンクや作業台、コンロがリビングのほうを向いて設置されているキッチンです。

 

キッチンの内側からリビングを見渡せるので、家族とおしゃべりをしたり、テレビを見ながら調理ができます。

あるいは、リビングからはカウンターの正面しか見えず、その裏にゴミ箱や細かい調理家電・食器などを隠せることも、人気の理由です。

 

壁付けキッチンのメリット

場所を取らない

 

壁付けキッチンは、壁を占領しているだけで、その背面はオープンスペースです。

ダイニングテーブルを置く以外にも、フリースペースとしても使えます。

キッチンだけど、リビングと共有できるスペースなのです。

 

参考:匠建コーポレーション

 

一方対面キッチンの場合は、キッチン設備と背面の壁との間に通路があります。

キッチン設備と壁の双方に収納をつければ、引き出しや扉の開け閉めするスペースも必要です。

その結果、キッチン部分がリビングにせり出す形になります。

 

部屋が広く見える

※自宅です。キッチンの対角線から眺めたところ。

 

物理的にもそうですが、視覚的にも、部屋を広く見せる効果があります。

キッチンとリビングの間に仕切りがないからですね。

視界をさえぎられることなく、部屋の奥まで見通せると、実際よりも広く感じられるのです。

 

これは、モデルハウスを何か所か訪ねるとよくわかります。

私自身は、仕事の都合で個人宅に伺うことがあるのですが、やっぱり全然違いますね。

部屋の中心に大きな家具があるかどうかでも、印象が変わりますもの。

 

調理中の匂いや音が広がりにくい

 

壁付けキッチンで、しかも部屋の奥の方にコンロと換気扇を配置した場合、調理中の匂いが広がりにくいです。

 

まさにウチのキッチンがその配置で、換気扇のスイッチを忘れなければ、匂いはコンロ周辺に留まっています。

あまり褒められたことではありませんが、換気扇下での喫煙も同様です。

 

調理中の音については、あまり実感はありません。

でもLIXILショールームの店員さん情報では、かなりプッシュされたので、書いておきます。

テレビ好きのご家族がいるなら、影響は大きいでしょうね。

 

作業効率がよく、汚れの心配が減る

 

壁に向かっての作業ですから、集中しやすいとの声もあるそうです(LIXILの店員さん情報)。

まあ私自身は、そんなに実感はありません。

急いでいれば、壁とは関係なく、没頭しますから。

 

それよりもメリットに感じたのは、壁が目の前にあることで、汚れを受け止めてくれることです。

 

カレーを温めているとき、生のタコを炒めるとき、新鮮なミニトマトに切れ目を入れるとき、

中身や油が飛び散るんですよね。

 

壁付けキッチンなら、壁をサッと拭くだけで終わりです(しかもつるつるのキッチンパネル)。

でも対面キッチンなら、床掃除も必要でしょう。

 

掃除は好きじゃないので、とてもありがたいです。

 

壁付けキッチンのデメリット

キッチンの中身が丸見え

 

対面キッチンなら、リビングから見えるのは、カウンターの正面です。

その裏に食器や調理家電、ゴミ箱も隠せます。

 

でも壁付けキッチンは、隠しようがありません。

調理する立ち姿も、全部オープンなわけです。

 

食器や調理家電の置き場所に困る

 

これは、私と同じような壁付けキッチンの家に住む友人の感想です。

食器や小型の調理家電(トースターやコーヒーメーカー、炊飯器など)の置き場所に困るんだとか。

 

確かに対面キッチンなら、

  • カウンターの裏
  • 背面の壁

ふたつのエリアに収納を作れます。

 

壁付けキッチンの場合は、キッチン設備の延長線上に食器棚を配置できますが、今度はスペースの問題があります。

冷蔵庫の置き場所も必要ですものね。

 

孤立感がある。テレビも見れないし。

 

これは家族がいる人、あるいはホームパーティーをよくする場合でしょうね。

リビングに背を向けて調理をしますから、仕方ない面もあります。

 

ただ、ある住宅情報誌のコラムで見かけたのですが、こんな方法もあります。

 

壁付けキッチンとダイニングテーブルを近づけて置く

子どもがそこで宿題をする

すぐ触れられる場所で、大好きな親(パパでもママでも)が料理をしている

わるくないと思いませんか!

 

確かに、対面キッチンのカウンターは、高さも幅もありますから、「触れ合えるほど」近くにダイニングテーブルは置けませんね。

 

デメリットを解決する方法

 

対面キッチンを勧められるとき、よく説明されたメリットはこうでした。

  • 家族とのコミュニケーションがとりやすい
  • 調理中の孤独感が薄まる

 

「おひとりさま」だから、あんまり関係ないんだけどな

 

いつもそう思いながら、セールストークを聞いていました。

テレビが見れなくても、ラジコでも、YouTubeでもスマホがあれば退屈しませんしね。

 

実際に壁付きキッチンの新居で2年暮らしましたが、コミュニケーションや孤独感で困ることは特にありません。

でもそれ以外のデメリットは、いくつか工夫をしました。

 

キッチンの内部が丸見え問題

 

※自宅LDKの間取り図

 

システムキッチンは、リビングと壁続きに設置しています。

これで背面から丸見えとはなりません。

 

見ようとすれば隠せませんが、意識しなければ、視界の隅に入る程度です。

 

また場所を取る「冷蔵庫」、「オーブンレンジ」、「炊飯器」は、まとめてキッチンの最奥に設置しました。

ごちゃごちゃしたものが視界に入りにくく、すっきり見えます。

 

収納が少ない問題

 

壁付けキッチンと並行に、カウンターを設置しました。

対面キッチンの「Ⅱ型」に近いですが、リビングとキッチンをさえぎる配置ではありません。

 

腰高ですが、リビングから見て、対面設置ではないのが肝です。

視界がさえぎられないので、リビングは実際より広く感じます。

一方で、ゴミ箱(大きなものが二つ)や雑多な日用品をうまく隠せます。

 

ちなみに使っているのはこれ。

ニトリ製品で、値段の割には丈夫で、柄も品が良いと思います。

私も天板を買い足して、カウンターにDIYしました。

 

もうひとつの収納対策としては、吊戸棚を活用することにしました。

手が届かない場所は使わなくなるので、ダウンウォール(昇降式吊戸棚)を設置しています。

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壁付けキッチンは、自由度が高い

壁付けキッチンの一番のメリットは、

生活空間として、融通が利くことだと思います。

 

システムキッチン自体は、重量もあり、配線・配管も含めて簡単には移動できません。

だけど壁に寄せてくっついていれば、カウンターを設置して、対面キッチン風にすることもできます。

 

これからキッチン家電がどんどん進歩するでしょうし、長時間コンロで作業することも減ってくるでしょう。

たとえば、ホットクックに代表される自動調理器、デロンギオーブン、ティファール湯沸かし器、どんどん便利になっています。

コンロ+鍋との違いは、ずっと側で見張っていなくてもいいことですね。

 

そうなると、キッチンに絶対必要なのは、

水回り(シンク)

作業台(カウンター)

 

これだけです。

 

水回りの場所さえ決めておけば(給排水の配管も)、あとは、生活パターンに合わせて、カウンターの場所を模様替えする。

 

おひとりさまなら、壁に向かって「I型」

家族ができたら、カウンターを足して「Ⅱ型」

 

こんな風にしなやかに配置換えをしていけるのは、壁付けキッチンでした。

 

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