私が建てたローコスト住宅では、タンク付きトイレが標準仕様でした。
でも、タンクレストイレにする選択肢もあったのです。
ちょっと(確か数万円)オプション料金を払えば、ですけども。
私が実現したいトイレのイメージはこうです。
- 掃除が簡単
- 管理が少ない
- シンプル
要するに面倒なことのないトイレが希望でした。
それなら、タンクレストイレですね!
LIXILショールームのお姉さんがにっこりそう言いましたが、でも、結局タンク付きトイレです。
料金の節約も目的でしたが、もちろん、それ以外にも理由がありました。
札幌(北海道)で、ローコスト住宅の場合は、タンクレストイレは失敗かも・・・と思ったのです。
タンクレストイレとは?
タンクレストイレとは、便器の後ろにタンクがないトイレです。
たとえば、こういうのですね↓
用を足した後に流す水は、水道管から直接引いています(水道直結式)。
ですから、連続して水を流すこともできます。
まあ、自宅ではあまり必要ないような気はしますが。
タンクがないので、見た目がすっきり小さい。
そして、いろいろと多機能(節水や消臭、音楽など)。
オシャレな家には、タンクレストイレ。
これがイマドキ!
なんて、メーカーショールームでは、なかなかの推しでした。
とは言え、物ごとにはメリット・デメリットの両面があるものです。
タンクレストイレのメリット
住宅設備のメーカー各社から、やたらお勧めされたタンクレストイレ。
主なメリットは、こんな感じです。
トイレが小さく、すっきりしている
トイレ後ろの水溜タンクがなく、本当に便器だけです。
モデルハウスやショールームで見たところ、高さがないので、トイレの空間が全体的に広く感じました。
ただ、注意が必要なのは、ここは北海道だってことです。
製品にもよりますが、タンクレストイレでも、小型タンクを内蔵したものもあります。
たとえば、これ↓
それは水道と内蔵タンクとを併用しているタイプで、寒冷地仕様のものに多いそうです(LIXIL談)。
水道凍結を防止する処置がされているのだとか。
タンクレストイレとは言え、単純に便器ひとつのスペースになるわけではないです。
内臓タンク分の容積が加わるので、
大型便器がひとつ分の大きさ=タンクレストイレ
これが正しい表現のような気がしました。
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デザイン性が高い
これは、本当です。
白い陶器で、いかにも便器
そんなタンクレストイレは、あまり見かけません。
私が訪れたショールームでは、カラーだけでも何種類もありました。
グレーやメタリック、ブラックにローズピンク、ワインレッドの製品もありましたね。
ブラックやワインレッド・・・。
外国の空港とか、セレブな劇場とか、何だかそんなイメージですがどうでしょう。
用事が用事なので、トイレの形にはそこまで自由度はないでしょうけど、それでもスタイリッシュな感じはしました。
語彙が乏しくて嫌になりますが、まさにシュッとしたトイレです。
汚れにくく、掃除しやすい設計
タンクレストイレは、設計段階から「汚れにくい・掃除しやすい」を意識して作られています。
まずは、便器の形状。
タンクとのつなぎ目もなく、便器そのものも段差などを解消した形になっています。
だから拭き掃除がしやすい。
そして便器の素材。
トイレと言えば、白い陶器のイメージでしたが、最近は違います。
有機ガラス系素材やガラス層を焼き付けるセラミックなど、陶器より固くツルツルした素材がタンクレストイレには使われています。
陶器も固いですが、拡大すると表面は意外とザラザラ。
これに汚れが付着すると(付着しやすい)、黒ずみになって、しかも取れにくいのです。
それを解消する新素材、というわけです。
多機能でおもしろい
さらに、タンクレストイレは多機能です。
便器を洗浄する水を除菌水に変換したり、洗剤を自動で混ぜて泡状にしたり、色々と追加機能があるのです。
どんどん高機能に進化した、日本のガラパゴス携帯のようですね。
と思いましたが、これは口に出しませんでした。
ちなみに、高価格帯の製品では、
- トイレに入室したら、水を流して予備洗浄
- 便座が自動で開く
- 音楽が流れる
- 流水温が流れる
- 夜中のトイレは、明るさ抑えられる(目が覚めないように)
ここまでになると一般家庭と言うより、高級なサロンや劇場のような場所向けの製品なのかもしれませんね。
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節水できる
10年ほど前までのタンク付きトイレでは、1回流すと13L以上の水が必要でした。
これに対して、一般的なタンクレストイレは、約3~4Lの水で流せます。
1回ごとに10Lもの水が節約できるので、4人家族で年間1~2万円の節約になるとの試算もあります。
タンクレストイレ、すごい!
ただ。
これには盲点があります。
実は節水機能の進化は、タンクレストイレの専売特許とは言えないんですよね(後述)。
タンクレストイレのデメリット
タンクレストイレそのものは、メリットがたくさんあるし、オシャレでかっこいい。
でも、ローコスト住宅に設置するには、悲しいかなデメリットもあるのです。
値段が高い
高機能で高性能、デザインもスタイリッシュ。
そうなれば安いわけがありません。
製品によっては、同じメーカーで10倍以上の価格差があります(定価の場合)。
そこそこの製品を見つくろってもらいましたが、タンクレストイレはタンク付きに比べて、10万円くらい高くなりました。
ただし、安く手に入れる裏技もあります。
工務店やハウスメーカーによっては、メーカー側と契約し、独自製品を用意している場合があります。
多機能が特長のタンクレストイレですが、それをできるだけ省略。
その分、価格も抑えている製品です。
どうしてもタンクレストイレを選びたい場合は、(メーカーではなく)工務店の担当者に確認するのも一案だそうです。
タンク付きトイレと差がない機能も
タンクレストイレのメリット、汚れにくい設計・新素材と節水。
これらは、タンク付きトイレでも採用している製品がけっこうあります。
私が藤城建設で「ゆきだるまのお家」を建てたとき、トイレはLIXILとTOTOの二択でした。
※現在は選択肢が増えています。
そしてどちらのメーカーのタンク付きトイレでも、
- 段差やつなぎ目を極力減らした「汚れにくい設計」
- 汚れつかず、とれやすい「新素材」(オプション料金)
- 節水機能あり
そんな製品だったのです。
節水機能については、
5Lの水で流せました(LIXILベーシアで、「大」使用の場合)
あれ?
タンクレストイレは3~4Lの水量ですから、そんなに変わりません。
ちなみに、それ以上に節水すれば、
トイレ、詰まっちゃうんですよね!(LIXILの担当者)
だそうです。
昔の汲み取り式のように、穴に直下するなら問題ありませんけどね。
水洗式なら、ある程度までは水量は必要なのでしょう、物理的に。
手洗いを別に設置する必要あり
タンクレストイレにするなら、手洗いを別に設置する必要があります。
用途を考えると、それはトイレの個室内ですよね。
まず困るのは、広さの問題です。
広い家なら別ですが、我が家は建坪26坪ほど。
リビングを広くしたいので、トイレは必要最小限の面積になります。
しかも便器の後方に、排気ダクトを通しました(壁で隠しています)。
余計に狭くなったトイレに、手洗い場とな?
ちょっと無理でした。
そして、費用と税金の問題。
工務店やハウスメーカーによっては、トイレ内手洗いは追加費用がかかります。
排水・給水工事となりますもんね。
さらに固定資産税も余分に必要です。
市役所の担当者に直接確認しましたが、私が住む地域ではこんな感じ(札幌郊外)。
- 配管が別なので、トイレ内手洗いも別途に課税対象
- 独立洗面台よりは安い
- タンク付きトイレに合体した手洗いは課税なし
体験談を聞くと、そんなに高額ではないようですが、抑えるとこは節約したいです。
ローコスト住宅ですもんね。
停電になれば水が流せない
タンクレストイレの排水は、ほとんどの製品で電気制御です。
電気信号でバルブを開け閉めし、水道管からの給水量を調節しているからです。
製品によっては、手動での排水に切り替える仕組みもありますが、安い価格帯にはそれが少ない。
しかも停電のときなんて、ただでさえパニックです。
忙しい中で取扱説明書を探し、懐中電灯で照らして解読なんて、ちょっと大変かな、と。
ひとり暮らしですから、面倒な事態は出来るだけ減らしたい
これが本音でした。
\後悔しないように!/
新築・ローコスト住宅は、事前のメーカー比較が全てです・・・。
【裏ワザ】「メール希望」と書くと、営業電話はかかってきません。
「おひとりさま」がローコスト住宅を建てる場合のトイレは・・・
ひとり暮らしでなら、掃除も管理も全部が自分です。
しかも予算がないから、狭小のローコスト住宅。
タンクレストイレのかっこよさは魅力でしたが、
- 値段が高い
- 手洗い場をつけると、トイレは狭い
- 停電時など管理が面倒
そんな理由で、我が家はタンク付きトイレにしたのです。
ただ材質をグレードアップし、汚れのつきにくい新素材にしました。
ちなみに、タンクレストイレでも採用されているものです。
そして入居2年の現在、トイレ全体については、ちょっとした後悔はあります。
でも便器については、特に不満はないです。
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