北海道の家~♪
きのしろ、きのしろ♪
きのしろ、きのしろ♪
きのしろ~♪
木の城、たいせつ~♪
これ、何の歌かご存知ですか?
北海道発祥のハウスメーカー、「木の城たいせつ」のCMソングです。
アラフォーの私自身、子どもの頃から慣れ親しんだメロディーですから、なかなかの老舗企業です。
ある年代以上の北海道民なら、知らない人はいないはず。
それほどの知名度を誇ったリーディングカンパニーでしたが、ある日、破綻しました。
それからもう15年近く。
ふと気がつくと、あの懐かしいメロディがテレビから流れてきます。
それも何やら、景気のよさそうなキャンペーン中です。
今回は、復活した「木の城たいせつ」について、基本情報と口コミをまとめました。
株式会社木の城たいせつとは
木の城たいせつとは、空知の栗山町に本社を置くハウスメーカーです。
2008年に経営破綻した旧木の城たいせつでしたが、同年に大阪のハウスメーカーが引継いで再建しています。
旧木の城たいせつ従業員や職人も、一部は再雇用され、宮大工の技術なども継承されました。
同じく、「旧木の城たいせつ」から由来するハウスメーカーとしては、別会社に「木の城しんせつ」があります。
「旧木の城たいせつ」の元役員や従業員の有志で設立されたハウスメーカーで、本社は滝川市。
札幌市内や道南に複数の事務所を構え、こちらはこちらで成長しているようです。
「木の城たいせつ」の注文住宅
基本スペック
Q値 | UA値 | C値 | 耐震性能 |
測定なし | 0.29 W/㎡・K 前後 | 2.0 cm2/m2前後 | 希望者のみ測定 |
※神社工法®は、耐震性能が高いことが実証されています。
ローコスト住宅のシリーズ | ローコスト住宅の設定なし |
坪単価(目安) | 65~70万円/坪。ただし設計内容によって変化。 |
施工地域 | 北海道内 |
断熱材など | ダブル断熱(内断熱:グラスウール+外断熱:ポリスチレンフォーム40mm厚) |
暖房方法 | 指定なし(パネルヒーター、床暖房、FFストーブ、旧木の城たいせつ仕様のペチカ暖房も実績あり)、熱源も制限なし |
間取りの自由度 | 制限なし・完全自由設計 |
平屋 | 可能 |
土地の紹介 | 可能 |
工法 | 神社工法 |
アフターサービス | 期間は定めないが、随時対応 |
その他 | 新規の注文住宅は、年間50棟に限定 |
料金の仕組み
30坪程度の一般的な2階建てで、2000万円(税込)~
実際に施工した総費用での平均坪単価は、65~70万円ほど/坪~
(建物本体価格+電気設備+水回り関係設備+給湯暖房工事+敷地にまつわる工事を含む)
木の城たいせつでは、ローコスト住宅の設定はありません。
水回りの住宅設備は、3段階のグレードに分かれていますが、それ以外は完全自由設計です。
施主の予算に合わせて、家を作り上げていくことがコンセプトなのです。
なお現時点では、新築工事は年間50棟に限定しています。
そのため、担当者が多くの件数をかけ持ちすることなく、一人の施主・家族にじっくり向き合うことができるのです。
ローコスト住宅専用メーカーではないのに、ある程度の費用調整が可能なのは、
相談する時間がたっぷりある
このことも理由のひとつです。
住宅構造
断熱の方法
木の城たいせつでは、断熱性能はダブル断熱を採用しています。
内断熱(充填断熱)は、高性能グラスウール。
外断熱は、ポリスチレンフォーム(40mm厚)です。
また、熱損失の大きい開口部(窓)については、トリプルガラス・樹脂サッシが標準仕様です。
気密性能の考え方
高めのC値!その理由は?
木の城たいせつの新築住宅について、平均のC値は2.0c㎡/c㎡。
昨今の高気密高断熱住宅のC値は、1.0c㎡/c㎡前後が目安。
当サイトの作成のきっかけとなった藤城建設の「ゆきだるまのお家」でも、やはり同じです(最終的に計測はしませんでしたが)。
木の城たいせつの家で、C値が高めなのは、理由があります。
旧木の城たいせつの時代から、会社として重要視していたのは、
- 北海道産の無垢材を多用する
- 木材の呼吸を妨げない設計をする
- それが建物を長持ちさせるし、住人の健康も守る
これは、前創業者の山口昭氏が宮大工の現場で学んだことを生かしたものでした。
もちろん当時と今とでは、技術や考え方が異なる部分もあるし、大きく改善されたこともあります。
ただ現在の「木の城たいせつ」でも、
自然に建物が呼吸するイメージ
機械に頼り過ぎず、シンプルな換気方法
これらを基本方針としています。
グラスウールは、自社工場で施工
気密性能が低い場合、北海道の住宅で心配なのが、断熱材内部での結露です。
これが原因で、かつては健康被害や住宅の倒壊も問題になりました。
断熱材が期待通りに効果を発揮するためには、気密性の管理が重要です。
もしグラスウールを内断熱で使うなら、壁の中に隙間を作らないように、過不足なく詰め込む必要があるのです。
通常の作業としては、現場で柱や壁を組み立て、その枠の中に、上からグラスウールを入れていく流れが一般的です。
ただそれでは、大工や職人によって、精密度や完成度に差が出てくるのが難点です。
木の城たいせつでは、グラスウールの施工不良を防止するために、現場作業の一部を工場生産ラインで対応する方法を取っています。
方法は、こうです。
柱・壁・グラスウールを工場で組み立てて、パネル化する
そのパネルを現場に搬入し、工事を進める
なおグラスウールは、工場内の平らな場所に置かれたパネルに、平準に敷き詰めていきます。
住宅の現場では、既に立ち上がった壁枠に詰めるため、上部や端に隙間ができやすい。
それが防げるというわけです。
また、グラスウール自体も、調湿紙の袋に包まれたものを採用。
袋ごと固定することができるので、バラバラのグラウウールに比べ、時間が経っても偏りにくいのです。
空気の通り道は確保しつつ、意図しない場所では、しっかり気密性を高める
それがC値2.0c㎡/c㎡前後で、建物が呼吸する家の仕組みなのですね。
木の城たいせつの「神社工法®」とは?
木の城たいせつでは、家づくりに「神社工法®」を採用しています。
これは、神社仏閣の建築技法を応用した工法で、創業社長が宮大工に弟子入りして身につけた技術を生かしています。
宮大工による建築方法は、通称「木組み工法」と呼ばれています。
基本的には金物などで繋がず、木と木を組み合わせていく工法で、木材の力を最大限に引き出せる方法のひとつです。
※札幌市内にある石山神社も木の城たいせつが施工(出典:木の城たいせつ)
特に有名ではない地域の神社でも、100年単位で残っていることはよくありますよね。
それは、耐久性の高い「木組み工法」で建てられた神社がほとんどです。
ただ、宮大工に施工を依頼すると、建築費用は坪100万円を軽く超えます。
しかも宮大工そのものが減少しており、後継者も見つからない。
宮大工が建てた建築物は、耐久性・耐震性に優れていますが、一般住宅では非現実的なのです。
そこで木の城たいせつでは、独自のプレカット技術を開発。
木材を工場で加工し、神社仏閣建築の木組み工法の技術を応用した「神社工法®」を創り出したのです。
この神社工法では、釘など金物による接着に頼らず、木材同士の組み合わせで構造体を支えるため、左右上下から圧力を受けても、しなやかに受け流すことができます。
木の城たいせつの家では、この「神社工法®」に加え、壁は構造用合板で一体化しています。
これによりモノコック構造が形成され、さらに耐震性を高めることが可能になりました。
木材は、北海道産材
出典:木の城たいせつFacebook
木の城たいせつでは、北海道産材のカラ松を標準採用しています。
これには理由がふたつ。
まずは安全性の確保です。
たとえば外国産の木材は、輸入する際に薬剤添付が避けられません。
輸出国や業者によっては、健康被害の出にくい薬剤を採用していますが、それでもシックハウス症候群を引き起こすことがあります。
一方、地域材の北海道産材を使用すれば、移動距離が少なく、薬剤添付をやめることが可能になるのです。
そして、木材の質が北海道の風土に合っていること。
木材の質としても、北海道産材には利点があります。
北海道の過酷な気候で育った木材は、南方地域の木材に比べて、年輪の密度が高いのです。
つまり寒さや気温差、厳しい天候にも強く、長持ちします。
なお旧木の城たいせつでは、北海道の研究機関とも連携し、独自の木材乾燥技術を確立しています(特許あり)。
これは現在の木の城たいせつでも継承し、栗山町の自社工場で製材する木材は、産地証明されている信用性も含め、高く評価されています。
間取り・デザインについて
かつて「木の城たいせつの家」と言えば、
あぁ、あれでしょ?
あの家のことでしょ?
それで一般的に通じるほどに、固定化されたデザインでした。
【ルームツアー】木の城たいせつで建てた暖炉風ストーブの売り戸建て / 春光5-8戸建 https://t.co/1uWqb7MS7x @YouTubeより
超ぬくぬく~!暖かさ抜群!の売家をご紹介!#木の城 #暖炉 #売家 #旭川 #北海道 #引っ越し #単身 #ファミリー #不動産 #賃貸 #売買 #アパート #マンション #転勤 #部屋探し pic.twitter.com/ly1nR9ruUQ— 不動産のビッグ 旭川 (株)生活プロデュースリーシング (@big_asahikawa) November 7, 2020
しかし現在の木の城たいせつでは、外観・室内のデザインや設計・間取りについて、特に制限はありません。
施主の希望に合わせて、相談して決めていくことが基本となります。
木の城たいせつの口コミ
木の城たいせつに関する口コミはこちらです。
木の城で新築し、三年ほど住んでいます(注:2019年の口コミ)。
営業の方も社長さんも技術監督さんも皆さん暖かく熱心です。
住心地も最高で結露知らず。三枚ガラスも基礎断熱もあり夏も冬も四季を通して快適です。
建てるときに設計で古い感じがしたのですが、写真や絵を描いて伝えると次にあう時には設計図にして試行錯誤してくれ本当に熱心だと感心するほどでした。
素晴らしい人達でしたよ。
木の城たいせつは、鉄骨ではなく木が柱になっていることが、住む上でも決めてとなりました。工法もしっかりとしており、地震でも影響ありませんでした。
木の城たいせつの家は暖かいです。他社ではできないと言われることが多い、持ち込み部品の取り付けやキッチンの調整など細かい点も相談でき、間取りも細かい部分に対応してくれます。
担当営業にもよるとは思いますが、打ち合わせ時にしていたことが漏れていたり、こちらがきちんと把握しておく必要はありました。
モデルハウスみたいな家ができればいいなら特に問題ないと思います。自分の住み心地のよい家にしたいのであれば、どの会社でも同じかとは思いますが、それなりに労力は使います。
結果的に、木の城たいせつで満足しております。
この前の寒波で水道が凍結した。
問い合わせしたが設備屋が忙しいみたい、だが、ドライヤーやらバケツやらタオルを持って担当が来てくれた。
その優しさに感銘を受けた。
木の城の家の話をしてもあまり理解が乏しい若い男性だったが、顧客の元へかけよる様に指導している経営理念は理解できる。
がんばってほしいと思う。
旧木の城たいせつの時代を含めると、堂々の老舗企業です。
それでも、破綻して業務を縮小した時期があるからなのか、それとも地域の地場企業だからなのか、口コミはそれほど多くはありません。
情報や体験談をお持ちの方は、当サイトのコメント欄に教えて頂けると嬉しいです。
施工事例
木の城たいせつの施工事例は、こちらです。
出典元:木の城たいせつ資料
2階建ての施工事例
3階建て施工事例
なお、木の城たいせつは、ローコスト住宅のハウスメーカーではありません。
施工事例の一部は、ローコスト以上の金額を要するものもありますが、あくまでもイメージとしてご理解ください。
札幌市内にあるモデルハウスの情報
木の城たいせつでは、モデルハウスを随時公開しています。
感想(個人的な)
いかがでしたか?
旧木の城たいせつが経営破綻した2008年、私自身は社会人になってまだ数年。
自宅を建てる日が来るとは、全く思いもしなかった頃です。
当時は、戸建てに興味がなく、賃貸暮らしの方が気楽でした。
それでも、木の城たいせつの名前は知っていたし、地元企業として親近感もあったのです。
だから、いきなりの破綻は、衝撃でもあり残念なことでした。
ところが、ふと気がつくと木の城たいせつが復活しているのです。
それが数年前のことでした。
へぇ~!
と思って、ホームページを覗いてみましたが、情報量が少ない。
2021年現在は、とてもきれいで見やすくなりましたが、2~3年前はそうでもなかったのです。
家を建てよう!
情報収集しようと思って、地元のハウスメーカーや工務店のウェブページを開くと、情報量の少なさにびっくりすることがよくあります。
ある程度の知識があれば、いろいろ推測できる内容でも、情報収集を始めたばかりではそれも難しい。
本格的に情報収集をする前に、一般的な建築会社では、どんな感じなのか。
確認しておけば良かったと、今では少し後悔しています。
もしこれから情報収集するなら、まずは一括で資料請求することをお勧めします。
何しろ楽で、費用がかからない(無料)。
契約の義務もないので、気になった会社だけ、改めて連絡すればいいのです。
工務店やハウスメーカーの間取り図・概算見積をまとめて取り寄せるなら、最近では「タウンライフ」でしょうね。
(株)木の城たいせつの概要
社名 | 株式会社 木の城たいせつ |
本社 | 〒069-1507 夕張郡栗山町旭台1-58
札幌・旭川に支社あり |
TEL/FAX | 0123-73-3600 / 0123-73-3616 |
設立 | 2009年3月
旧木の城たいせつ(2008年3月5日に事業停止)を大阪のハウスメーカー「創建」が引継ぎ設立。 旧木の城たいせつは、1950年創業。 |
事業内容 | 住宅販売、建築請負、建築設計・管理 |
建設業の許可 | 建築業許可:北海道知事許可(般-31)石第22411号
一級建築士事務所登録:北海道知事登録(空)第0372号 宅地建物取引免許:北海道知事空知(3)第482号 JIO届出事業者番号:A1001078 |
代表取締役社長 | 吉村直巳 |
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