職場の後輩が家を建てるそうで、アドバイスを求められました。
パートナーとの新生活のために、「愛の巣(笑)」をイチから作りたいんだそうで。
なので、はりきってお勧めしたのです。
もちろん、ローコスト住宅。
直截に言えば「ゆきだるまのお家」を強力プッシュです。
そしたら、言われました。
えー、ローコスト住宅って、恥ずかしいんですけど。
あらら、まあ。
最近の若者は、いつも正直で素敵です。
でもね、わが社のお給料では、高額なローンは組めないのよ?
どうして、ローコスト住宅が恥ずかしいのか聞いてみました。
で、その後輩の答えを聞いて思ったのです。
「ローコスト住宅は恥ずかしい」という考えで家を建てると、損しちゃう可能性があるんですね。
「ローコスト住宅は恥ずかしい」に対して、それでもお勧めする理由をまとめました。
ローコスト住宅は恥ずかしい?
ローコスト住宅って、どういうところが「恥ずかしい」の?
心を落ち着けて、後輩に問い質し 尋ねてみます。
すると、後輩の考えはこうです。
- ローコスト住宅は、安っぽく見えそう
- ローコスト住宅は、デザインがダサそう
- ローコスト住宅を建てると、貧乏なのに無理するなって思われそう
あの、私たちの給料では、世間的には「貧乏ゾーン」に片足つっこんでますけどね。
ちなみに、耐久性の不安はないか聞くと、
ローコストでも真面目な仕事をする会社を探す
と、そこは冷静なご意見でした。
後輩が「恥ずかしい」と感じているのは、
ローコスト住宅の「見た目が安物イメージ」「デザインが安っぽい」のようです。
で、その後輩。
住宅ローンはギリギリいっぱいまで高額にして、大手住宅メーカーで家を建てたいんですって。
「恥ずかしい(見栄)」、でもローコスト住宅がお勧めな3つの理由
見栄っ張りだなぁと思いましたが、せっかくなのでプレゼンを試みます。
「恥ずかしい(見栄)」があっても、ローコスト住宅がお勧めな理由です。
ローコスト住宅おすすめ理由① 内装の安っぽさは、後でリフォームできる
ローコスト住宅の内装は、確かに高級品ではありません。
住宅性能を高めるために、コストカットの対象になるからです。
断熱や耐震性能の方が優先されますからね。
でも、それって大きな問題でしょうか。
相談してきた後輩は、20代半ばのイマドキ男子。
ちなみに結婚する(予定)の年上彼女には、2歳の子どもがいます。
つまり、入居時から幼児がいるわけです。
小さい子供が、どれだけ家を汚すか・・・。
さては、知らないな?
高級感のある壁に、容赦なく描かれるクレヨンの落書き。
全方位に貼られまくる「かわいい」シールたち。
私自身も、ふすまをビリビリに破いたときの「記念写真」が実家にあります。
「小さい子どもに、黙って座ってなさいって言うの?
絶対そんなの、意味ないよ!
親がイライラするだけだよ」
これは、横から口を出してきた同僚の言葉ですが、まあその通りなんでしょうね。
- 子どもが大きくなるまでは、汚れても惜しくない内装
- 大人になったら、そのときの流行に合わせて、内装をリフォームする
それが、ローコスト住宅では実現しやすいのです。
だって、元が安いから。
ローコスト住宅おすすめ理由② 住宅ローンはできるだけ安く、期間は短く
後輩は、なおも主張します。
住宅ローンは金利が優遇されているし、たくさん借りないと損だって聞きましたよ
えぇ、本当かな。
確かに住宅会社や銀行で相談すると、
「住宅ローンは節税効果もある」
「普通の借金と違って、金利も優遇されている」
そんな説明をよく耳にします。
車のローンやカードローンと比べたら、住宅ローンの金利はすごく安いです。
「住宅ローン減税」で還付金を受け取れば、何だか得した気分になるでしょう。
でも、よく考えたら妙な話です。
借り手が得するようなローン、銀行が貸しますかね?
ちょっとシミュレーションしてみましょう。
参考サイト:「フラット35」ローンシミュレーション
【3000万円を35年ローン(フラット35)で借りた場合】
金利(元利均等)1.5%だと・・・
月々の返済額は、10万9000円
総支払額は、3.858万円
利子だけで、858万円!
わお、お金持ち!
もちろん「元金均等」とか「変動金利」とか、パターンはいろいろあります。
ただシミュレーションしても、何百万もの差は出ないんですよね。
ちなみに、借入金額を減らしたらどうでしょう。
【2000万円を35年ローン(フラット35)で借りた場合】
金利(元利均等)1.5%だと・・・
月々の返済額は、6万2000円
総支払額は、2.572万円
支払う利子は、300万円弱の差が出ますね。
これ、内装のリフォームに使えば良いのでは?
それにしても、
借入額の1/4~1/3近くを利子として上乗せされているなんて、
直視するのが辛くなってきます。
これ、金利(元利均等)1.5%の条件は同じで、返済期間を35年から20年に短くすると・・・
3000万円の住宅ローンを20年で返済:総支払額は、3452万円
2000万円の住宅ローンを20年で返済:総支払額は、2317万円
表にまとめるとこうです。
【住宅ローンを借りたときの総支払額と利子額の差(目安)】※金利(元利均等)1.5%
35年ローン | 20年ローン | 利子額の差 | |
3000万円 | 3858万円(a) | 3452万円(c) | 406万円(a-c) |
2000万円 | 2572万円(b) | 2317万円(d) | 255万円(b-d) |
利子額の差 | 286万円(a-b-1000) | 135万円(c-d-1000) |
住宅ローンは、とにかく少なく・短く借りる方が「お得」ですね。
私自身は、ローンを組まずに家を建てられるように、最初からローコスト住宅で検討しました。
利子の総支払金額、やっぱり無視できなかったです。
ローコスト住宅おすすめ理由③ 一生住むとは限らない
脅かすわけじゃないけれど・・・
同僚が言います。
「マイホームを建てても、一生そこに住むとは限らないよ」
そうなんですよね。
私たちの職場は病院ですので、たくさんの患者さんとその家庭事情を知る機会があります。
病気や事故、離婚、心変わり・・・。
「家を建てたばかりなのに(住めなくなった)」と、嘆く患者さんや家族さんは珍しい話ではありません。
家を手放しても、住宅ローンは残ることが多いです。
家は完成した途端に、価値が下がりますからね。
購入金額と同じには売れないのです。
医師のように1億円プレーヤーなら別ですけどね(注:当院のドクターの年棒です)。
お給料に限界があるなら、とにかく住宅ローンは安く短く、ローコスト住宅がお勧めなのです。
どうしても家を建てたいなら、ローコスト住宅も選択肢に!
安月給なんだから、ローコスト住宅で我慢しとけってことですか?
後輩は、目を三角にして文句を言います。
そう言ってしまえば身も蓋もありませんが、うん、その通り。
ただわかってほしいのは、こういうことです。
- 経済状況に見合った家に住むことが一番
- ローコスト住宅が恥ずかしいなら、賃貸やマンションもある
- 中古住宅もある
それでも「家を新築したい!」と思うなら、ローコスト住宅がおすすめなんです。
経済的に余裕がないなら、特にそう。
私の場合は、犬3匹と暮すことが最優先でした。
そうなると賃貸住宅はなく、状態のいい中古住宅はけっこう高い。
結局、ローコスト住宅を新築することが、一番リーズナブルだったのです(実家の隣ですし)。
家を新築する=大手のハウスメーカーが一番
それだけが選択肢ではないんですよね。
ちなみに最近は、「安っぽくない」「ローコスト住宅に見えない」ローコスト住宅メーカーも増えてます。
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