「ゆきだるまのお家」は、ローコスト住宅ながらも、高断熱で暖かいというのがコンセプトです。
約2年住んでみて、それは、その通りだったと感じています。
ところが、その「家の中、全部どこでも暖かい」せいで、不便なこともありました。
つまり、冬の間、「涼しい・寒い部屋」がどこにもないのです。
今回は、寒い部屋がないことの不便さと、その解決方法についてまとめました。
高断熱で「暖かい家」の盲点?
冬でも、暖かです。
「ゆきだるまのお家」が暖かい理由は、セミセントラル方式暖房と日光熱を取り入れた設計です。
家全体の暖かくなるように工夫された家ですから、裏返せば、寒い・涼しい場所がありません。
玄関も、トイレも、脱衣所も、全部がふんわりと暖かです。
内玄関のタイルさえ、たいして冷たくないのです。
イイことばかりのようですが、困ったのは、食品の保存です。
例えば、冷蔵庫に入れないタイプの野菜ですね。
そういえば、子供のころの実家や、今まで住んでいたアパートや貸家、みんな冬には寒い部屋がありました。
もしくは、玄関。
暖房が届かず、吐く息が白かったものです。
そこに箱買いしたみかん、ジャガイモや玉ねぎ、冷蔵庫に入らなかった鍋入りカレーなんかを置いていたのです。
冷蔵庫ほど賞味期限は延びませんが、野菜や料理を保存するにはちょうどよかったのです。
そういう場所が、「ゆきだるまのお家」にはどこにもないのです。
これは盲点でした。
寒い場所を作るには
こんな風に、大量のりんごやじゃがいも、時々おすそ分けでもらうのです。
高断熱で暖かい家に、あえて「寒い場所」を作るためには、こんな方法があります。
- パントリーを作る
- 玄関フード(風除室)を作る
もう既に完成した我が家ですが、解決法になり得るか考えてみました。
パントリー
パントリーとは、食料品や日用費をストックするための物置ですね。
通常は、台所に隣接して作られます。
スペースに余裕があれば、小さな流し台をつけることもあるようですね。
ただし、普通のパントリーなら室内ですから、他の部屋と暖かさは変わらず、寒い部屋にはなりません。
野菜など保管できる「涼しい」「寒い」パントリーにするには、暖房の通らない仕様が必要です。
数年前に建てた実家では、勝手口に直結したパントリーを作りました。
暖房は通っていないガラス張りの小部屋で、小さいサンルームの趣です。
床はタイル張りで、汚れたものを持ち込んでも、あまり気にならない仕様になっています。
実家はローコスト住宅ではありませんが、「ゆきだるまのお家」と同じように、高断熱と暖かさが評判のハウスメーカーです。
上述のパントリーは、「室内庭園」という名前のオプションプランでした。
ちなみに「ゆきだるまのお家」は、間取りはかなり自由が利きます。
なので、提案された間取りプランにパントリーがなくても、相談は可能なはずです。
ただし、パントリーをつける場合、気をつけないといけないことがあります。
- 設計段階から相談すること
- パントリーの面積分、どこかが狭くなること
我が家の場合は、設計段階では思いつかず、後の祭りです。
でもまあ、プランに浮上したとしても、スペースの問題で断念したでしょう。
26坪の狭小住宅ですからね。
玄関フード
設計段階では思いつかず、後から「涼しい・寒い」部屋が欲しくなったら、どうするか。
しかも狭い家なので、室内に余分なスペースはない、となったら?
ひとつの解決策は、「玄関フード」です。
玄関フード(風除室)とは?
玄関前に造りつけたガラス張りの小さな小部屋のことです。
温室のように見えますが、用途は違います。
冬場の冷たい風や雪が室内に吹き込まないように防止する役割があるのです。
北海道では、風除室もしくは「玄関フード」と呼びますね。
玄関が引き戸だったり、断熱が不十分なドアを使っていた頃、厳しい寒さをシャットアウトするために、広く普及したそうです。
言うなれば、第1玄関ですね(本来の玄関が第2玄関)。
建物に入るときには、まず玄関フードで雪を落とし、それからおもむろに、本当の玄関ドアを開けるわけです。
玄関フードは、後付けができる
よほど特殊な玄関でない限り、玄関フードは後付けで作れます。
「ゆきだるまのお家」の我が家は、シンプルな造りの玄関ですが、もちろん問題ありません。
シンプルなデザインのものなら、20万円前後からあるようです(札幌近郊の場合)。
室内スペースを圧迫しない
1階の間取り図。右上が玄関です。
玄関フードは、玄関「前」に設置します。
従って、室内スペースを圧迫しません。
小さな空間ですが、家に「おまけ」がつくイメージですね。
では、敷地内に倉庫を置けば良いのでは?
いいえ、倉庫と玄関フードでは、距離的な利便性が全然違います。
たとえ数歩の距離でも、真冬の吹雪の中に出ていくのはイヤです。
玄関を開けたら、目の前に。
これが肝要なのです。
特に食料品の置き場所としては。
暖房はなく、「涼しい」「寒い」
特別な目的があれば別ですが、通常は、玄関フードには暖房を引きません。
秋から冬、そして春先までは、屋外よりは「少し暖かく」、でも室内よりは「ずっと寒い」小部屋が出来上がるのです。
しかもガラス張りとは言え、四方の壁に囲まれていますから、雨風はしのげます。
発泡スチロールの箱など、入れ物を工夫すれば、根菜や凍らせたくないものも、置いておけるというわけです。
余談ですが、除雪のためのスコップやママダンプも、「とりあえず」収納できるので便利です。
玄関外に立てかけておくと、強風で飛んで行ってしまうこともありますもんね。
暖かい家に、「寒い部屋がほしい」
「ゆきだるまのお家」が暖かい家だというのは、本当だし本望です。
でも、実際に住んでみると、「寒い部屋・場所」がほしくなりました。
大量の食糧や料理の保存に、やっぱり便利なのです。
設計段階で思いつけなかったことは、「失敗した」と感じています。
でも、玄関フードなら、望みが叶いそうです。
今年はもう冬になってしまうので、来年どうしようかと検討中です。
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