工務店によるローコスト住宅「ゆきだるまのお家」で自宅を建てて、札幌近郊で暮らしています。
今でこそ家には満足していますが、工務店を探して、家が完成するまでは、いろいろと不安も多かったです。
そこで今回は、
「ローコスト住宅を建てよう」と思い立ってから、実際に完成し、建物を手に入れるまでの工程について、簡単にまとめました。
なお実際に役立った助言や体験談なども、メモとして追記してあります。
住みたい家のイメージを作る
家が欲しい、家を建てようとなったきっかけは何でしょう。
例えば私の場合は、「犬3匹と暮らす家を建てたい」「離婚してひとりで住むので、ローコストで収めたい」でした。
そこから、住みたい家のイメージ作りを始めています。
「子どもが生まれるから」、「結婚するから」、「引退するから」、「親と同居するから」など、自分や家族の生活に重ね合わせて、どんな家に住みたいか考えていきましょう。
項目を紙に書き出す
最初の段階では、あまり明確なイメージは持てないことでしょう。
そこで、思いついた小さなアイディアやイメージの断片を、どんどん紙に書き出してみることがお勧めです。
同居するパートナーやご家族がいれば、意見のすり合わせのためにも、お互いそれぞれでやってみましょう。
実現したいことの優先順位を決める
アイディアや希望する設備、性能など、ある程度の量を書き出せたら、優先順位を決めましょう。
ローコスト住宅の場合は、全ての夢を叶えることは難しいです。
- 一点豪華主義で、特定の性能や特長にお金をかける
- 全体のスペックを調整して、平均的な費用を抑える
大抵はこれのどちらかになりますので、絶対に譲れない項目・条件を決めておくことが肝要です。
家づくりのアイディアをまとめるとき、
- 「住宅の性能に関すること(断熱性能や耐震性、建物の工法など)」
- 「内装や設備に関すること(キッチンやユニットバスなども含む)」
これらは、分けて考えましょう。
「住宅の性能」は、建ててから変更することは難しく、やろうとすれば大変にお金がかかります。
一方で、「内装や設備」は、どのみち一定期間でリフォームが必要になります。
新築のときは、そこそこの製品で妥協し、リフォームのタイミングで奮発することもアリなのです。
情報収集をする
まず調べることは?
住みたい家のイメージが見えてきたら、いよいよ情報収集です。
まず、最初に確認するべきことは、2点です。
- 相場を知る
- 住みたい場所に対応する工務店・ハウスメーカーを知る
工務店やハウスメーカーへ、闇雲に問い合わせると、情報量が多すぎて混乱する可能性が高いです。
特にローコスト住宅を検討している場合は、高級なセレブ住宅メーカーに相談しても、双方にとって時間の無駄です。
また、住みたい場所へ対応しているかどうかも確認し、削れる選択肢は絞ってしまいましょう。
どうやって、情報を得る?
相場や地域については、住宅情報会社などのサイトで検索するのが手間がかからず、簡単です。
会社によって、登録している工務店やハウスメーカーが違う場合もあるので、複数サイトで試してみましょう。
条件を指定して、施工会社をある程度絞ったら、そのまま資料請求することもできます。
資料を見て、具体的なイメージが固まってきたら、住宅展示場やモデルハウスに行ってみましょう。
自分の中で「判断基準」があると、営業マンとも実のある話をしやすいです。
検索サイトからの資料請求をする際、連絡手段を指定しておきましょう。
電話やメールなどチェック項目がなければ、備考欄に書き込むこともお勧めです。
何も記載しないと、営業マンが直接訪ねてくる場合があります。
それがうれしいと思うなら良いのですが、私は困惑しました。
予算を決める
家のイメージが固まり、建築費用の相場も見えてきたら、自分が払える予算を決めましょう。
支払いの方法は、大きく分けてふたつです。
- 現金で支払う
- 住宅ローンを組む
住宅ローンを組む場合は、以下についても決めておきましょう。
- 月々の支払いは、いくらまで可能か
- 自分が何歳までローンを組むか
- (結婚している場合)ペアローンは利用するか
住宅ローンについては、自分で銀行に審査を申し込むか(WEBでも問い合わせができます)、工務店・ハウスメーカーの担当者に相談しましょう。
その会社と特定の金融機関の間で、有利な融資条件を確約している提携ローンを利用できる場合もあります。
土地を決める
土地が決まっていない場合は、土地探しも並行して行う必要があります。
それには、こんな方法があります。
- 不動産サイトや不動産屋で相談する
- 親族などの土地をもらう・借りる(実家の敷地内に建てるなど)
- 住宅を建てる工務店やハウスメーカーに相談する
親族などの土地を使う
実家の敷地に建てるなど、親族の土地を使う場合は、
- 贈与を受けるか(贈与税の対策が必要)
- 賃貸とするか
これらについてしっかり相談し、名義を決めないと、相続の際に揉めることがあります。
住宅を建てる工務店やハウスメーカーに相談する
工務店やハウスメーカーによっては、馴染の不動産屋があったり、会社内に土地売買の部署を持っていることがあります。
その場合、仲介手数料が割引されたり、土地そのものが割安の可能性があります。
契約する
依頼する工務店・ハウスメーカーを決めたら、契約と具体的なプランの決定に進みます。
契約してから工事着工までの目安は、2~3か月が平均と言われています。
その間に間取り・内装・設備などを決めていきます。
住宅ローンを使う場合は、契約に先立って、審査を受けておきましょう。
会社によっては、本契約の前に仮の契約を結び(「パートナー契約」などと呼ばれます)、間取りの提案を行う場合もあります。その場合は、専門職である設計士が間取りを作る例が多いです。
工事の開始
季節や住宅の規模にもよりますが、工事期間は4~6か月が目安とされています。
工事中の見学や差し入れが必要なのかは、意見がわかれるところです。
特にローコスト住宅の場合、せっかく建築費を抑えても、差し入れの費用が負担になれば、本末転倒です。
一方で、家が出来上がってくる過程を見るのは、楽しい経験にもなります。
差し入れや見学は、施工会社の方針を確認・相談の上で、自分や家族の負担にならない程度にしておきましょう。
地鎮祭
地鎮祭とは、土地の神様へ家を建てることを報告し、工事の無事を祈願する儀式です。
最近は実施しない例も増えているようですが、行う場合は、工務店・ハウスメーカーに手配を依頼することもできます。
ちなみに札幌近郊では、3万円程度から可能です。
土地の改良工事
yukidaruma宅の造成工事(ゆきだるまのお家)
土地の状態によっては、改良工事が必要です。
平らにならすために土を盛ったり(逆もあります)、盤石にするために杭を打つこともあります。
基礎工事
yukidaruma宅の基礎工事(ゆきだるまのお家)
建物の土台部分を作る工事です。
枠組みを取ってから、鉄筋を組み(配筋工事)、コンクリートを流し込んでいきます(基礎コンクリート打設)。
その後、建物の枠に沿って足場が組み立てられたら、いよいよ建て方工事に入ります。
建て方工事・躯体工事
yukidaruma宅の建て方工事(ゆきだるまのお家)
建物の骨格になる部分(柱や梁など)を組み立てていく工事です。
平面がちな作業だった「基礎工事」とは異なり、立体的に、ダイナミックに建物が立ち上がっていきます。
建て方工事が終了したら、屋根を乗せて、いよいよ細かい工事に進みます。
また、上棟式を行う場合はこのタイミングです。
ただし、札幌近郊では、上棟式まで行うことは、あまり一般的ではないようですね。
断熱工事
yukidaruma宅の断熱材工事(ゆきだるまのお家)
北海道では、絶対に疎かにできないのが断熱工事です。
この断熱工事の内容や状態によって、年間の光熱暖房費に何万円と差がつきます。
工務店・ハウスメーカーによって、資材や工法は異なるものの、通常は床・壁・天井・屋根のそれぞれに断熱工事が施行されます。
内外装工事
yukidaruma宅の内装工事(ゆきだるまのお家)
外壁の防水工事などと並行し、室内の工事が行われていきます。
壁紙・クロスを貼り、キッチンやユニットバスなど設備の搬入と設置、電気工事など、急速に「家らしく」仕上がってくるのがこの時期です。
基礎工事の段階では狭く感じられたとしても、この段階になれば、「(室内は)けっこう広い」と思えるのが不思議です。
フローリングの床が張られ、階段が出来上がり、造作の棚が設置されていく中で、「あの家具はここに」、「あの部屋のカーテンはこれで」と、新居への期待が膨らんできます。
工事中には、頻繁に現場を訪れて、工事の不備がないように確認したい。
そう思っても、時間的・物理的制約により、叶わないこともあります。
そんな場合は、新築ホームインスペクション(住宅診断)を利用する方法もあります。
建築の専門資格を持った調査員が、設計通りの工事が行われているかチェックしてくれます。
完成と引き渡し
工事開始時に申請した通りに建物が完成しているか、建築確認申請に照らし合わせて、工事責任者と検査機関が審査します。
それに問題なく合格したら、次は施主の出番です。
施主・設計担当者・施工管理者(現場監督など)が立ち会い、仕上がりを確認するわけです。
もし不備があれば補修工事となるので、壁・建具などの傷や汚れ、設備の動作確認・取扱説明書や保証書の有無なども、しっかり細部まで見るようにしましょう。
施主が仕上がりに了解したら、正式に鍵を受け取り、建物の引き渡しは完了です。
その後は、建物の所有権を証明するための各種登記(「建物表題登記」「所有権保存登記」など)を行って、晴れて引っ越しと新生活の始まりとなります。
「家を建てる期間」は長いようで短い
いかがでしたか?
「家がほしい」と思い立ってから、実際にローコスト住宅が完成するまで、最短で1年弱です。
特に工事が始まってからは、施主としての役割はひと段落し、それこそあっという間に建物が完成します。
それだけに、
「どんな家にしたいか」
「どの工務店・ハウスメーカーに依頼するか」
この二つはとっても大事ですし、ぜひ時間を作って検討されることをお勧めします。
コメントや体験談などお願いします