ここ数年、平屋が人気です。
家事動線がシンプルで、家族とコミュニケーションがとりやすくて、バリアフリー。
構造がシンプルなので、地震にも強い。
冬の雪下ろしも、2階の屋根よりは楽ちん。
ざっと並べるだけでも、これだけのメリットが出てきます。
私自身も、本当は、平屋が希望でした。
おひとりさまで同居人はいませんが、犬が3匹います。
犬の気配を身近に感じて暮らしたい。
トイレ以外で粗相したら、即かけつけて片付けたい。
ワンフロアで完結する暮らしをしたかったのです。
ところが土地の広さが足りず、断念しています。
平屋は、「いろいろ高くつく、割高なんだ」と説明も受けました。
それで結局のところ、コストパフォーマンス満点、ローコスト住宅では定番の「総2階建て」です。
でもね、最近ときどき思うのです。
ローコスト住宅の予算で、平屋を建てるって、本当に無理なんでしょうか。
平屋が2階建てに比べて、「費用が割高・贅沢」と言われる理由
細かく見ればもっとたくさんでしょうけど、主な理由は3つです。
- 基礎・屋根の面積が広く、建築費が割高
- 広い土地が必要になる
- 税金が高い
順番に少し解説します。
基礎・屋根の面積が広く、建築費が割高
平屋と総2階建てを比べるとよくわかります。
延床面積が同じなら、平屋は基礎も屋根も、総2階建てよりも広くなります。
単純計算なら、総2階建てなら基礎も屋根も、平屋の半分で済みます。
屋根はもちろんですが、特に基礎の部分は、札幌・北海道に住むなら適当にはできません。
断熱性能に大きく関係しますから。
基礎断熱や床暖房をするなら、平屋ではかなりの費用増でしょう。
広い土地が必要
総2階建てなら、上下にフロアを分割しますが、平屋は違います。
平屋では、延床面積=必要な土地の面積なわけです。
広々としたリビングルーム、ユニットバスは1.5坪タイプで、玄関土間にはアウトドアグッズを置きたい・・・
こんなこと言ってたら、けっこうな広さの土地でないと、平屋を建てられないのです。
最近の札幌、土地は値上がり中ですから、土地費用だけでローコストではなくなりそうです。
平屋は、税金も割高
平屋と総2階建て、わかりやすく差がつくのは「固定資産税」です。
シンプルに表現すると、固定資産税は、
(住所など条件が同じなら)土地が広ければ広いほど
建物の資産価値が高いほど
高額になります。
平屋が「より広い土地が必要」なことは一目瞭然です。
では、「建物の資産価値」はどうか。
平屋は、基礎・屋根・(場合によっては)外壁などの分量が、総2階建てよりも多くなりやすい。
「家屋の材料」が多いほど、一般的には資産価値の高い建物と見なされるそうです。
従って、平屋の方が、固定資産税が高額になるのです。
建物だけなら、ローコスト住宅にできる
まあ、「建物の資産価値」については、設計者や工務店のさじ加減もあるでしょ?
こう、個人的には考えています。
実際に、ローコスト住宅の「平屋」に特化した工務店もありますからね。
ローコスト住宅で「平屋」を建てるには、土地がポイント
工務店や設計者を選ぶことで、建物自体は、「平屋」でもローコストに抑える選択肢はありそうです。
ということは、ポイントはやはり土地です。
- 土地自体を安く購入する
- 狭い土地で狭い平屋でも、いいと思えるかどうか
この二つが焦点になります。
土地を安く購入する
ここ数年、札幌では土地は値上がり傾向です。
安い土地が欲しければ、自分から探しに行かないと、まず見つかりません。
建築条件付きの土地や、ちょっとクセのある土地、あるいは、親戚・知人から譲り受けることも要検討でしょう。
さらには、札幌市外の土地も選択肢です。
狭い土地での「小さな」平屋でも、いいと思えるかどうか
良い土地に巡り合えるかどうか、これは「運」も大きく影響します。
ないものは、ナイ。
狭い土地しか手に入らないとき、それでも「平屋」に住みたいかどうかです。
生活に最低限必要な広さは?
私が住んだ最も狭い部屋は、マンションの6畳ワンルームです。
その次が1DK(7畳DK+5畳)バストイレ別でした。
いずれも二人暮らしでしたが、まあ、何とか暮らせます。
ただ個人的には、この広さの家・マンションなら、大金を出して手に入れたいとは思いません。
これが私の場合は基準になりました。
家を建てるなら、
15畳以上のLDK+1部屋、バストイレ別が最低限の広さ
絶対に譲らない核みたいなものでした。
平米だと、60㎡くらいですね。
ちょっと広めですが、これくらいが理想↓
この広さの建物を建てられる土地があれば、平屋にしたい。
無理なら、2階建てにすると考えを決めたのです。
荷物を減らせるかどうか
ホテルならそれほど広い部屋でなくても、けっこう快適です。
でも、自宅には、ある程度の広さが必要。
この両者の違いのひとつは、荷物の量だと思うのです。
- 家族4人で暮らす
- 二人暮らしだけど、捨てられないタイプで、荷物が多い
このような状況で、広い土地が手に入らず、それでもローコスト住宅で新築したいなら、
総2階建てで、延床面積を確保(居住空間を広く)
平屋よりも、こっちがお勧めでしょう。
収まりきれない荷物をトランクルームに預けたら、ローコスト住宅で費用を浮かす意味がないでものね。
でも、こんな状況なら話は別です。
- 中高年で2人暮らし
- おひとりさま
家族の人数が少ないので、最低限必要なものも限られます。
特に中高年となると、不要なものを整理するメリットが大きい世代です。
そして本当の高齢者になれば、2階へ行くことが難しくなるので、実質的には平屋に住んでいるのと同じになります。
荷物が少ないなら、ローコスト住宅の予算で平屋を建てることも現実的
建物自体は、ローコストで平屋を建てることは可能そうです。
問題は土地です。
土地次第で、総額がローコストに収まるかどうかが決まります。
荷物が少ない
少人数の暮らし(2人暮らしやひとり暮らし)
この状況なら、狭い土地のコンパクトな平屋に住むことも現実的です。
たいていの場合、ローコスト住宅で「平屋」を選択するとは、
小さい家に住めるかどうか
これがポイントになるんですね。
私の場合はと言うと、この2択でした。
- LDKを狭くして、平屋
- LDKは広くして、2階建て(2階に浴室・洗面台・洗濯機)
結局は総2階建てにして、平穏に暮らしています。
荷物もそれなりにあって、2階の居室を物置にしてちょうどよかったです。
でも、「ちょっと考えを変えたら、平屋も実現したな」と思い返すときも、
実はあります。
家づくりって、悩ましいですね。
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