階段の上り下りがなく、ワンフロアで暮らせる平屋は、数年前からじわじわと人気が出ています。
子育て世代なら、家族のコミュニケーションしやすさ
シニア世代なら、階段からの転落リスクなく、バリアフリーの設計
どちらにとっても、合理的な選択ですね。
ただし、やはりどちらも高額な住宅ローンは避けたいところでしょう。
土地はなんとか確保した
家の建物本体は、費用を抑えたい
札幌は土地価格が値上がりしていますから、建物価格はなんとか抑えたいところです。
では、平屋をローコスト住宅で建てるためには、どんなコツがあるでしょうか。
北海道での平屋住宅の相場
平屋住宅の相場は、一般的に2LDK~3LDK(25~30坪)で、2千万円前後とされています。
ただし国産木材を多用したり、住宅性能を高機能にしたり、あるいはデザイナーズ住宅としておしゃれな外見に設計すれば、費用は青天井です。
このあたりの事情は、平屋に限ったことではありませんね。
ちなみに北海道sumoで公表されている範囲では、ローコスト住宅での平屋や、1LDK程度のコンパクトハウスなら、1000万円台前半~の施工例もあります。
平屋住宅は、延床面積が同じ「総2階建て住宅」と比べ、基礎工事や屋根が広くなります(単純計算で2倍)。
そのため、平屋だから「安い」とは言えないのが難しいところです。
平屋をローコストで建てるコツ
設備のグレードは「ほどほど」
大きなものでは、システムキッチンやシステムバス、トイレに洗面化粧台。
こういった住宅設備は、「ほどほど」のグレードにしましょう。
特にこういった水回りの設備は、おおむね10年前後でリフォームが必要になってきます。
よほどの高級グレードや耐久性の高い外国製(例えば、ドイツ製のミーレなど)を選ばない限り、仕方がないことなのです。
新築時は「ほどほど」の設備で妥協して、リフォーム時にグレードアップを検討するのがコツです。
住宅設備は日進月歩で充実していますから、10年先となると、現在の高級グレードもお安くなっているはずです。
建物の外観や間取りは、シンプルなデザインに
出典元:専門職組合株式会社
凹凸の多い複雑な外観、部屋数の多い間取りは、表面積が増えるので、必要な建材も多くなります。
外観なら、コの字型やL字型よりも、キューブ型が最も安上がりです。
たとえば、リビング、子ども部屋、寝室からそれぞれ中庭に出られる「開放感のある平屋」は、ちょっと割高なんですね。
窓や勝手口など、開口部を減らすこともコツのひとつです。
現在の新築住宅では、24時間換気システムが義務付けられていますし、窓の位置に配慮すれば、風通しを確保することも可能です。
窓を減らすということは、壁の面積が増えます。
家具の置き場所について、選択肢が増えるメリットもあるのです。
たとえばアップライトピアノ。
まとまった面積の壁がないと、置き場所に困るものです。
なお、シンプルなデザインの建物であれば、工事の期間も短縮できます。
つまり工事業者の人件費も、無理なく節約できるというわけです。
平屋が得意な工務店・ハウスメーカーに頼む
工務店やハウスメーカーの中には、平屋住宅をウリにしていたり、平屋の規格住宅シリーズを展開している業者もあります。
そういった会社に依頼することも、大事なコツです。
特にローコスト住宅は、建材を大量発注したり、間取りのパターンを限定することで、材料費や工事業者の人件費を抑える例が多いです。
2階建て住宅を主力商品とする工務店では、平屋用の建材が割高になったり、マニュアル外の工事で職人の工賃が上乗せになる場合があるのです。
同じ理由で、自由設計の注文住宅よりも、間取りや建材が既に決まっている「規格住宅」の方が、割安の傾向です。
人気が出ているとはいえ、「平屋」は主流ではありません。
それは住宅街を歩くと一目瞭然です。
ということは、住宅展示場への出展やモデルハウスも、2階建てに比べてずっと少なくなります。
具体的な相談は、実際に工務店やハウスメーカーへ出向く必要がありますが、その前段階としての情報収集は、一括での資料請求が便利です。
たとえば、こちらのサイトは、ハウスメーカーの資料だけでなく、土地や間取りの見積もりも無料で依頼できるので便利です。
見積もりしても、もちろん契約の義務はありません。
住み始めてからのコストパフォーマンス
新築時の費用も大切ですが、生活が始まってからのランニングコストも重要です。
省エネルギーで暮らす
たとえば高断熱・高気密の住宅であれば、外気の影響を受けにくく、室温を一定に保ちやすいです。
つまり、冷暖房の効率が良く、低額の光熱費で快適に過ごせます。
いわゆる「省エネルギー住宅」と呼ばれる住宅のことです。
これをさらに進めた住宅が、ZEHハウスです。
ZEH(ゼッチ)とは、「ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス」の略です。
省エネルギーを実現する住宅性能に加え、太陽光発電などエネルギーを創り出す仕組みも装備した住宅です。
設計計算上では、生活で使うエネルギーより、生み出すエネルギーが多いことが特長です。
うまくいけば、光熱費がかからないだけでなく、売電収入も見込めるのが魅力です。
補助金や助成金などを利用する
省エネ住宅やZEHであれば、より金利の低い住宅ローンの対象になったり(例:フラット35s)、固定資産税の減額期間が延長されるなど、いくつかの制度で優遇処置があります。
また札幌市のように、独自の補助金を支給する自治体もあります(札幌版次世代住宅補助制度)。
実際のところZEHハウスとなれば、必要な設備も多く、建築費用は高額になります。
でも、省エネルギー住宅なら、いくつもか評価基準や認定制度があり、ローコスト住宅でも条件を満たしやすいものもあります(認定炭素住宅や認定長期優良住宅など)。
また、省エネ住宅であること自体をウリにした、ローコスト住宅も既に登場しています。
平屋をローコストで建てるには?
出典元:平屋製作所
平屋をローコストで建てるには、シンプルな間取りで、こだわり過ぎない設備にすることがコツです。
ただし住宅は、完成して入居してからも大事です。
たとえば冷暖房費など光熱費を考慮し、ある程度の住宅性能は必要でしょう。
- デザインはシンプルで、キッチンなど住宅設備は「ほどほど」
- でも住宅性能は、「省エネ住宅」レベル
- それを、ローコスト住宅や平屋を得意とする工務店・ハウスメーカーに依頼する
この方針で、平屋住宅を検討してみてはいかがでしょうか。
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