雪が積もる冬に、新築工事をしても大丈夫なのか?
これ、雪国で家を建てるときに、かなりポピュラーな疑問です。
新年度が始まる4月直前に引越しを考えた場合、マイホームの完成は2~3月がベストです。
ただそれでは、新築工事が真冬の時期になってしまいます。
でも、特に北海道や東北など雪が積もる地域だと、真冬に新築工事をすることは不安がありませんか?
私も自分の家を建てたとき、雪が降ってから新築工事となる可能性がありました。
ちなみに札幌なので、それなりに雪も積もります。
そして実際に、積雪前に基礎工事が終了したものの、建物の新築工事は、雪が積もる中で行われたものもあります。
雪が積もっても、新築工事をして大丈夫なのか。
建築会社に確認したり、調べたことで、私が判断の材料にしたことをまとめておきます。
北海道で冬の新築工事は大丈夫?メリット&デメリットは?
雪が降る冬に新築工事をするメリット
雪が積もる真冬に家を建てるなんて、デメリットしかないと思っていました。
でも実は、木造住宅の場合は、冬に新築工事をするメリットもあります。
そのメリットとは、
- 夏よりも、木材の乾燥度が高い
- 建材と建材の「接合部」がよく締まる
順番に見ていきましょう。
\冬に強い地元の工務店(札幌・近郊)/
【真冬積雪での新築工事のメリット①】夏よりも、木材の乾燥度が高い
冬の方が夏より乾燥しているので、木材を「乾燥したまま」使うことができます。
ちなみに、住宅建設に使われる木材(構造用製材)は、水分量が20%以下と決められています。
これはJAS(日本農林規格)によるもので、きちんと理由があるんです。
なぜなら、木材に水分が多く含まれていると、もろくて壊れやすいから。
もちろんシロアリ被害や腐敗、ナミダタケ繁殖のリスクも高くなります。
【ナミダタケ事件についてはこちらの記事をどうぞ】
雨風にさらされた廃屋を思い浮かべてください。
板張りの床に足を乗せて体重をかけると、簡単に崩れますよね。
あのイメージです。
なぜ、木材を乾燥させると強度が増すのか?
その原理はこうです。
- 木材を乾燥させていくと、細胞内の水分が抜けていく
- 細胞内のセルロース(繊維)が結びついて、水の抜けたスペースを埋めていく
- セルロースが細胞内で結びつくと、水分は入りにくく、木材の強度も増す
乾燥した木材(細胞内でセルロースが結びついた状態)の強度は、なんと金属並みなんだとか。
この木材の性質を最大限に生かすには、
これは、建築業界の常識だそうです。
【真冬積雪下の新築工事のメリット②】建材と建材の「接合部」がよく締まる
【建築中だった頃の我が家の骨組み】
雪の重さで、建材と建材をがっちり接合できる
これが、積雪下で新築工事をするメリットの二つめです。
雪国の戸建てに住まないと、なかなか経験できないと思いますが、
屋根に積もった雪の重さで、建具に不具合が出る
冬にはこんなことがあるのです。
ここまで雪が積もる前に、さすがに雪下ろしをしますが・・・。
夏に家を建てて、いざ冬に雪が積もると、その重さで接合部が微妙に歪んでしまう。
でも積雪下で新築工事をすれば、雪が重しになって、接合部をがっちりつないでくれるというわけです。
ただし。
最近は建築技術が向上したので、それほど気にすることはないそうですよ。
工事が始まってから大工さんに質問しましたが、笑ってました。
雪が降る冬に新築工事をするデメリット
もちろん、積雪下で新築工事をすることのデメリットもあります。
そのデメリットとは、
- 基礎コンクリートの凍害
- 費用が割高になる
- 大工・職人が大変
大工さんたちが寒空で大変な思いをする・・・ことはさておき。
デメリットについて説明しましょう。
【真冬積雪下の新築工事のデメリット①】基礎コンクリートの凍害
【我が家の基礎工事中の画像】
基礎コンクリートの凍害とは、これです。
- コンクリートの中の水分が凍って膨張する
- コンクリートに穴が空いたり、破壊してしまうことがある
え、ヤバいじゃないですか!
あるいは、コンクリートを流す場所や枠組みをしっかり除雪しないと、雪の部分が空洞になることも・・・。
これを防ぐために、建築会社はこんな対策を冬に取ります。
- コンクリートの濃度を上げる
- しっかり固まるまで、養生(覆いをかけるなど)する
- 凍らないように、ヒーターで温度管理する
- 除雪する
この対策がしっかりしていれば、真冬の積雪下で新築工事をしても、強度が極端に落ちることはないそうです。
【真冬積雪下の新築工事のデメリット②】費用が割高になりがち
基礎コンクリートの凍害対策や除雪は、夏の施工なら必要ないことです。
ということは・・・?
真冬の新築工事では、追加費用を請求される可能性があります。
【追加費用の例】
- コンクリートを「濃く」すること
- 養生資材やヒーターの設備
- ヒーターの電気代(灯油代)
- 除雪・・・
そして、大工さんの手間賃も割り増しになる例があるのだとか。
特にフルオーダーで、外観にもこだわり、造作家具が多い場合は要注意です。
冬場だと手元がかじかむし、早く暗くなってしまう。
だから手間が余計にかかるので、期間を延ばすか、人員を増やさざるを得ない・・・。
なるほど。
でもやっぱり、諸事情により、冬場の新築工事が避けられないこともありますよね。
ちなみに私がそうです。
3月末付で退職し、4月から新しい職場に移る予定でしたから、家の完成時期は動かせません。
それに、工務店がしっかり手当てしてくれれば、冬の工事でも強度が低下することはないのです。
そこで、私が工務店探しや相談のときに気をつけたポイントを紹介します。
冬(積雪下)の新築工事について、建築会社に確認することリストは?
雪の積もった真冬の新築工事について、建築会社(工務店・ハウスメーカー)に確認したのはこれです。
【建築会社に確認リスト】
- 冬の基礎工事の手順
- 冬に扱う新築棟数
- 冬の工事の期間
- 追加費用
基礎工事について、夏とは何が違うのか。
それについて答えてもらえなかったら、もうそこではお願いできないと思います。
ただ、北海道の土地柄なのか、そんな工務店やハウスメーカーは出会ったことはないですね。
ですからポイントは、「冬に扱う新築棟数」と「工事期間」です。
極端に着工数が減る場合、その建築会社では、冬の大工の手配に差しさわりがあるかもしれません。
北海道の場合、本州に出稼ぎに行って、冬季は不在の大工さんもいるのです。
また工事期間については、「夏と変わりません」と言われた場合・・・。
ちょっと不安に感じました。
だって、冬場の基礎工事では、夏より時間をかけてコンクリートを固める必要があるからです。
そして最後です。
一番重要なのは、「追加料金があるかどうか」です。
結論を言うと、私が家を建てた札幌周辺のローコスト住宅メーカーや工務店のほとんどは、冬の工事でも追加料金はかかりません。
ちなみに私がお願いした「ゆきだるまのお家」の藤城建設も、割増料金や別途費用の請求はありませんでした。
ただ知人の体験談を聞く限り、雪の降る期間について、追加料金を請求する工務店やハウスメーカーはそれなりに存在します。
どの会社では冬季料金の請求がなく、あるいは料金設定があっても、目安はどれくらいなのか。
雪国で冬に新築予定があるなら、先に情報を集めることもお勧めです。
無料でメールのみで資料請求して、事前勉強・情報収集すると効率が良かったです
冬季料金を問い合わせるなら、備考にそのことを記載しておきましょう。
もしご興味あれば↓
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