自宅を新築するとき、きちんと工事がされているか、心配ではありませんか?
直截に言うなら、手抜き工事の不安です。
ローコスト住宅とは言え、自宅を新築することは、私にとってすごく大きな出来事でした。
とにかく金額が大きくて、貯金もなにもスッテンテンです。
間取りが決まって契約を終えてからは、願うことはこれです。
設計通りに建ちますように。
手抜き工事がありませんように。
そして願うだけでは仕方がないので、私自身も予防策を取りました。
今回は、ローコスト住宅でも、手抜き工事を防ぐための方法を紹介します。
ローコスト住宅は、手抜き工事される?
※我が家の土台工事中。手抜きはないはず
インターネットで「ローコスト住宅」と検索すれば、
- 手抜き工事された
- すぐに家が傾いた
- すき間風ばっかり
- 大工さんへの手間賃をケチっている
こんな体験談や専門家の解説記事がたくさんヒットします。
不安になりますよね。
私はなりました。
ローコストを謳う工務店が倒産し、工事継続で他社が現場に入ってみると、ずさんな施工でびっくり仰天した・・・。
週刊誌の記事としては、定番ネタです。
でも、私の経済事情では、新築するならローコスト住宅です。
そこで藤城建設と契約する前に、ホームインスペクションをする会社に相談したのでした。
そのときに建築士さんから教えてもらったのは、こんなことでした。
自社大工のいる建築会社を選ぶ
一般的には、工務店・ハウスメーカーは、住宅の設計・建材発注と現場監督までは行います。
でも実際の施工は、下請けの事業所(大工・職人)へ発注することが多いです。
私がお世話になった藤城建設も、実はこのタイプです。
ただ地元密着型の工務店やハウスメーカーでは、大工や職人を社員として雇用する建築会社もあります。
自社大工が施工する場合、こんなメリットが期待できます。
- 設計士と意思疎通しやすい(同じ会社)
- 自社独自の設計や建築現場に慣れている
- 社員として給料など保証されている
全国的に有名なハウスメーカーでも、実際の施工は、各地の工務店や個人事業主の大工さんだったりします。
ひとつの現場で、大工・職人が入れ替わることも、繁忙期では珍しくありません。
どんな仕事でも同じでしょうけど、関わるメンバーが増えるほど、連係ミスは起こりやすいです。
自社大工の場合は、ひとつの現場を同じメンバーで作り上げることができます。
一部の職人が退職しても、大多数のメンバーは変わらないから、引継ぎもしやすいでしょう。
また社員として雇用されていれば、そうでない場合より、退職は少ないはずです。
建材を工場で一括製材している建築会社
必要な建材を工場で製材し、ある程度まで組み立ててから、現場へ運ぶ
こんな方法をとる建築会社も増えています。
ツーバイフォー工法や規格住宅が代表的ですね。
ローコスト住宅メーカーでも、多くは大量発注や大量生産でコストカットをしています。
ちなみに藤城建設も、自社工場はありませんが、必要な建材は大量発注です。
これも超ローコスト住宅にするための、工夫のひとつと言うわけです。
建材を一括製材(できれば一部の組み立てまで)することは、費用のカット以外にも、工事ミスが減るという効果もあります。
パーツが完成していて、現場では組み立てるだけ
組み立て方法もある程度はマニュアル化できる
従って、大工さんの技能に左右されず、設計通りの建物に仕上がりやすいのです。
これは、ローコスト住宅だから手抜き工事とは限らないことの証左でしょう。
ひと昔前までは、大工さんがカンナで材木を削り、樋を切り出し、微調整しながら建てて行ったと聞きます。
確かにそれでは、「誰が」工事をしたかで、完成度に差が出てきますね。
芸術品のような注文住宅なら、それも素敵です。
でも、ローコスト住宅ですからね。
芸術より、実益なのです。
狂いやズレを最小限に抑えて、設計通りに建てることは、気密度の確保に繋がります(設計がしっかりしていることが前提ですが)。
そして北海道の場合は特に、高気密・高断熱であれば、建物の耐久性を高めることにも繋がります。
建築現場を見学する・差し入れする
自宅の工事が始まったら、施主も現場に見に行く
大工さんに差し入れする
賛否両論あることは知っていますが、一定の効果はあると思います。
大工さんとしても情が湧くでしょうし、施主としては、小さな相談もしやすくなります。
また施主自身が写真を撮って、それをネットの掲示板などで相談することもできます。
施主は家づくりには素人ですが、
- 大工さんからの助言で異常に気がついたり
- 設計よりも良い方法に変更できた
そんな体験談も目にしました。
差し入れの費用や訪問時間の捻出が負担にならなければ、これは手軽ですぐにできる方法です。
でも、私は出来ませんでした。
当時住んでいた貸家からは、高速道路を使っても車で3時間近く。
遠すぎて無理でした。
そこで、お願いしたのがホームインスペクションだったのです。
私にとっては、けっこう大きな出費でした。
それでも、プロの目で確認してもらってよかったと感じています。
実際に、ちょこちょこと指摘をもらって、大工さんに手直しを依頼しましたもの。
ちなみに藤城建設さんでは、快く協力してもらえました。
手抜き工事は、外から見えないから不安
手抜き工事や小さなミス、設計との齟齬は、なかなか外からはわかりません。
素人がすぐに気がつくレベルなら、重大な欠陥でしょうし。
だからこそ、どこまで手を打って予防策を張り、どの程度でヨシとするかが大事だと思います。
あまりにも細かいところまで気にしても、新居を楽しめません。
人間が建てるからには、完璧などあり得ないでしょうし。
手抜き工事や工事のミスを防ぐために、施主がとれる防止策はこのようなものです。
- 自社大工が建てていること
- 建材は工場で一括製材・発注・一部組み立て
- 大工さんに差し入れ・現場見学
実は、私の場合は△ばっかりでした。
ただし、客観的に分析したからこそ、ホームインスペクションという方法にたどり着きました。
我が家のやり方だけが正しいのではなく、選択肢としての紹介です。
これから家づくりを始める方がもし見て下さっていたら、参考になるとうれいしいです。
ちなみに、まだ情報収集を始めたばかりの段階なら、複数の会社のパンフレットを比較してみるといいですよ。
こちらでは標準仕様なのに、あちらではオプションで追加料金・・・とか。
何にお金をかけるべきか、だんだん見えてきます。
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